2019 Fiscal Year Annual Research Report
Water management of irrigation for greenhouse agricultureuse using effluent from rural sewage trertment plant
Project/Area Number |
17K08014
|
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
浜田 康治 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 上級研究員 (00425521)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀山 幸司 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 上級研究員 (90414432)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 農業集落排水処理水 / 灌漑利用 / 施設農業 / 土壌有機物 / SAR / 健康リスク |
Outline of Annual Research Achievements |
農業施設内での灌漑水として農業集落排水処理水を長期間にわたり利用した場合における土壌への影響について検証するために、土壌カラムによる室内試験を実施した。試験は農業施設内でのドリップ灌漑を想定した場合の10年間の灌漑水量をもとに設計した。その結果、処理水区では土壌中のナトリウム濃度が水道水を通水した対象区と比較して、初期状態から約2倍の濃度上昇がみられるとともに、土壌の水抽出液中のSARの上昇も見られたが、カルシウムやマグネシウムに関しては明確な差が見られなかった。また、有機物に関しては、処理水区では土壌有機物の水抽出成分中の溶存態有機炭素濃度が初期状態に比較して低くなる傾向が見られたが、含有される芳香族などに起因する難分解成分の割合が高まるなど、土壌有機物組成の変化が見られた。また、供試水・浸出水中の有機物濃度の比較から土壌中に灌漑水由来の有機物の蓄積が示唆される結果が得られた。窒素濃度に関しては、処理水の硝酸塩濃度が高いため、対象区に比較し土壌の水抽出液中の硝酸塩濃度が高い傾向にあった。 また、農業集落排水処理水を農業施設内でトマト栽培に使用した場合の消費者の健康リスクをロタウイルスを対象として定量的微生物学的リスク分析(QMRA)法により評価した結果、一般的な塩素消毒された二次処理水を農業施設内で灌漑利用する場合であっても、ドリップ灌漑やマルチによる土壌被覆、収穫後に十分な洗浄を実施することでWHOが示している許容される健康リスクを下回ることが示された。また、処理場における追加の高度処理による指標微生物数の低下量、圃場までの送水過程による指標微生物数の低下速度を明条件・暗条件ともに検証試験により定量的に評価した。健康リスク低下のための追加処理や水管理の最適手法の設計・適用に向けての活用が期待される。
|
Research Products
(5 results)