2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of Artificial Intelligence to Self-Learn Big Data for Man-Robot Collaboration in Agricultural Field
Project/Area Number |
17K08031
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
森尾 吉成 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (90273490)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 農業用ロボット車両 / 自律走行 / 自己位置認識 / 障害物検出 / 物体認識 / 機械学習 / 深層学習 / 画像処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
衛星測位システムが電波を受信しづらい中山間地域においても,安全に自動走行ができ,車両周囲の状況を認識しながら作業支援ができる農業用ロボット車両の開発を行った.ベース車両には,圃場内を走行可能な小型履帯車両(Yanmar MC95A,A)を採用し,視覚センサとして,前方と左右の3方向を観察可能な3眼カメラと,深度情報を取得可能なステレオカメラの2種類のカメラシステムを搭載した.精度検証用に,位置や方位を計測可能な衛星測位システム,加速度・角速度センサを搭載した. カメラから得られた画像情報を処理する画像認識システムの開発では,車両の自己位置認識システム,車両前方の障害物検出システム,車両周囲の物体認識システムの3つのシステムを開発した.自己位置認識システムの開発では,ロボット車両が走行する農道シーンの学習と認識に,機械学習アルゴリズムの一つであるRandom Forestsが有用であることを実験により示した.さらに,あらかじめ取得したランドマーク画像を用いて,車両の自己位置と姿勢を同時に求められることも実験により示した.車両前方の障害物検出システムの開発では,ステレオカメラを使って取得した深度情報を元に,農道に沿って存在する物体や溝,および段差を障害物として検出できること,また,障害物が車両に近づいた際に,危険を検知するシステムが有効に機能することを確認した.車両周囲の物体認識システムの開発では,深層学習を用いて,カメラが捉えた人,トラック,コンテナ,農業機械,といった物体が頑健に認識できることを示した.さらに,人の姿勢やコンテナの内容物の有無を同時に認識するためのシステムを開発することによって,ロボットが物体を認識するだけではなく,作業の流れを理解した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ロボット車両を自動走行させるために必要なソフトウェア側の開発は,順調に進んでいる.ハードウェア側の開発については,履帯車両の操舵を行う左右ブレーキペダルの制御機構の開発が進行中である.車両に搭載した2種類のカメラシステムは,多数のカメラを同時に制御するため,それぞれ異なるパソコンに接続され,処理結果は,ネットワーク回線を使って共有されるシステムを開発している. ハードウェア側の開発は,ソフトウェアよりも少し遅れている状況にあるが,農業用車両の操舵制御は,自動車よりも単純であるため,ブレーキペダル制御機構の開発が完了すれば,簡単な自律走行試験に移ることができる.
|
Strategy for Future Research Activity |
ロボット車両を自動走行をさせるためには,ソフトウェア側の開発が非常に重要であり,今後も,より時間を掛けて取り組んでいく必要がある.特に,走行中に障害物が出現した場合など,安全に走行を行うための環境認識システムの開発は最も重要である.開発中のロボット車両は,毎秒1 m未満の低速で進む車両ではあるが,ロボットと人が,同じ圃場空間で一緒に作業を行い,溝や段差が多く存在する農道において安全な走行を実現するシステムの開発は必要不可欠である. 車両周囲の安全を実現するために,今後,安価のLRF(Laser range finder)をはじめ,カメラ以外のセンサを搭載して,二重三重の安全対策を行う.車両が障害物を検知しすぎた結果,車両が走行不能に陥る安全対策の副作用にも対応した農作業現場特有のロボット車両を開発する必要がある. 安全面の次に重要な点は,ロボットが単に自動走行するだけではなく,カメラから得た情報を元に,作業に必要な行動を意思決定する機能を持つことである.作業の流れを理解する機能および作業を支援するための意思決定をする機能の開発も重点的に行っていく.安全に配慮しながらも,早めの試験走行の実現を目指す.
|