2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of Artificial Intelligence to Self-Learn Big Data for Man-Robot Collaboration in Agricultural Field
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17K08031
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
森尾 吉成 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (90273490)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 農業ロボット / 自己位置計測 / 環境地図作成 / Visual-SLAM / LiDAR-SLAM / 深層学習 / 画像処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
衛星測位システムを利用せず,作業者が携行可能で,ロボット車両にも取り付け可能なステレオカメラを用いた自己位置計測システムおよび環境地図作成システムを開発した.地図に記載される情報は,作業者や車両の移動軌跡,農道と圃場や溝との境界線,梅畑に限定されるが,カメラが観察した樹木の位置である.移動軌跡は,Visual-SLAM法を用いて計測され,農道の境界線ならびに梅樹木の位置は,深層学習アルゴリズムで得られた画像座標とステレオカメラで得られた深度情報を統合することによって検出された.一方,LiDARセンサを用いたSLAMシステムも構築し,Visual-SLAMシステムとの比較実験を行った. 実験は,全長500 mの農道,耕耘直後の圃場に設けた全長100 mの直進路,エンドウ豆栽培圃場の全長50 mの畝間通路,茶畑の全長40 mの通路,収穫直後の梅畑に設けた歩行ルートを用いて行った.各現場に対してVisual-SLAMシステムのパラメータの最適化を行った結果,移動軌跡の計測ならびに環境地図の作成が安定して行われた.特に,衛星測位システムが利用できない山間部の梅畑において,作業者の歩行軌跡が安定して計測できる有効な結果が得られた.計測精度は,衛星測位システムに劣るものの,衛星測位システムが安定して利用できない中山間地域で位置情報を獲得できる本システムの有用性が示された.一方,LiDARを用いたSLAMシステムでは,一般的な圃場であっても,センサの周囲に物体がほとんどない場合,正しい移動軌跡を得ることができない結果が得られた. 次年度に向けた開発として,農作業で頻繁に活用される採集コンテナに注目し,現場に置かれたコンテナの個数およびコンテナの積み方を,深層学習を用いて認識するシステムを開発した.今後,コンテナの情報を地図に記載できるように開発する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遅れている点は,ロボット車両を自動走行させるためのハードウェア開発の点である.本研究の目的は,農業ロボット用の人工知能を開発することであり,ソフトウェアの開発が最も重要である.しかしながら,開発した人工知能を搭載したロボット車両を自動走行することができれば,農作業現場でロボットが活躍する実用例を示すことができ,農業分野におけるロボット開発を加速させるためにも重要である. 人工知能の開発については,概ね順調に進んでおり,次年度以降も人工知能を中心に開発を継続することによって,ロボット車両の開発に興味を示す外部協力者も現れる可能性もある.まだ手動ではあるが,モデル車両に開発したセンサを搭載して実験を実施しており,次年度には,一部の走行機能を自動化する試みを行う予定である. 以上のことから,進捗状況の判定は「やや遅れている」とした.
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度であるため,研究目的としている人工知能の開発を継続して実施するとともに,ロボット車両の開発も行う.
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Causes of Carryover |
次年度使用額は17,002円と少額であることから,無理に執行せず次年度の予算に組み込む形で有効に活用することを選択したため.
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