2018 Fiscal Year Research-status Report
近赤外線による深度画像を用いた害獣捕獲用インテリジェント起動信号生成手法
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17K08034
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
竹田 史章 近畿大学, 工学部, 教授 (40320121)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 深度画像 / 害獣 / ドローン / オプティカルフロー / 画像認識 / 騒音 |
Outline of Annual Research Achievements |
単一Kinectを用いた深度画像及び可視画像による動物の形状と大きさ、さらに、オプティカルフローによる動き検知を実現し、ビデオ画像による動物の動き解析による基本的な認識システムを構築した。捕獲対象としてまず、ゼンマイ駆動のおもちゃと2匹のハムスター(録画)を検討した。実験の妥当性と提案手法の特徴と照らし合わせて検討した。提案手法の有効性の主張を室内の実験結果から実際のフィールドでの有効性として議論した。しかしながら、多方向からの撮像によるアルゴリズムの有効性を確認する必要があることが進行途上で明確となった。特に、15m程度の空撮での撮像画像に対するアルゴリズムの性能に関しての実験ならびに近赤外線カメラのポータブル性(可搬重量と大きさ)などが実験途上で課題となることが判明した。今回はドローンによる空撮の確認とコンパクトな近赤外線カメラの調査を実施し、次年度に本格的な空撮による対象画像の取得と認識アルゴリズムの性能確認を実施予定である。 また、実験においてドローンによる空撮時に、山岳地域などに設置される高圧電線による磁界の影響で地磁気センサを使用し姿勢制御するドローンが影響を受けることも判明した。今後、モビリティ近赤外線カメラ(ドローン)の制御においても一考が必要なことが判明している。一方、甲南大学田中雅博教授との情報交換会を企画し、深度画像の取り扱いの知見とその有効性さらに今後の近赤外線取得デバイスの動向についても意見交換を実施した。 上記に続いて近赤外線深度センサカメラ3種類を購入し、体育間にてドローンにカメラを装着し、対象距離と対象抽出精度及び騒音メーターによるドローンのノイズなどを測定し体系的なマルチアングル撮像の基礎データを取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究当初において複数方向からの画像に対する検知アルゴリズムの性能確認が必要なことが想定された。平面的なアングルの撮像だけでなく、近年のドローンによる使用用途の有効性と展開性に着眼し、空撮による取得画像を取り入れ本研究成果のより実践的なアルゴリズムへの展開を計画した。この確認のためモビリティ撮像装置としてドローンを導入し、空撮画像の取得に研究の主体を傾倒させた。鉄筋コンクリート内の撮像、グラウンドでの撮像においてなど想定内での環境での空撮実験を実施した。ただし、磁界の影響を受けるところでは飛行制御が安定せず自ずと撮像においても支障を来すことが判明した。 実際に害獣捕獲のフィールドでは山岳部も多分に含まれ高圧送電線などの近隣での撮像が必要となる。このように撮像と検知アルゴリズムは表裏一体であり、双方方向から研究を実施した。 上記に加え、小型可視及び近赤外線による深度センサカメラを用い、高度、2m、4m、6m、8mでドローンによる空撮画像取得実験を実施した。特に、対象を背景から抽出することでマルチアングルの撮像性能を評価し、かつ、ドローンの騒音も併せて測定し、ドローン導入での空撮マルチアングル撮像の有効性と問題点を洗い出した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度以降は空撮によるアルゴリズム検知性能の評価と評価結果のアルゴリズムへのフィードバックを予定する。また、可搬性とコンパクトな近赤外線画像取得デバイスの選定とドローンへの装着を試みる。また、可視画像と深度画像の併用によるトータルなアルゴリズム性能においても複数アングルによる空撮画像で確認を予定する。 また、モビリティ撮像デバイスとしてのドローンに対しても磁気の変化の大きい環境でも安定した飛行と撮像が可能な仕組みの考案と施策を試みる予定である。今回は、室内での空撮撮像でかつ高度は低空で縮小実験とした。また、騒音の問題と飛翔高度の関係を実験したが、実際の屋外での飛翔マルチ空撮による対象抽出実験が必要と判断している。 今後、最終年度では近赤外線深度画像と可視画像の併用によるドローンによるマルチアングル撮像を屋外で10mから20mの範囲で実施し、実スケールの規模での撮像画像の害獣捕獲にどれくらい有効であるかを検討予定である。
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Causes of Carryover |
モビリティ画像取得デバイスとして新たにドローンを導入し、複数アングル画像での検知アルゴリズムの評価と改良を実施中であり、平成30年度はドローンに搭載する近赤外線カメラおよび広域撮像カメラの搭載と撮像を実施予定した。特に、安定した空撮を実施するために磁気の影響を受けにくい機構にドローンの制御系を改造することと複数アングルの安定した撮像を主体にした本アルゴリズムの検証を実施予定である。平成29年度は試行による空撮で種々の撮像における問題点が顕在化し、平成30年度以降ではこれらを解決するためにドローンへの各種センサの搭載に経費を要した。この改造経費並びに撮像システムへの連動機構の新たな構築に平成29年度予定した経費を充当した。今回平成30年度では、センサユニットをドローンに装着することを外部発注で実現を予定し、その業者を選定していたが、先方の都合で発注できなくなった。そのため、設計外注費を使用することなく、大学において独自に飛行高度をスケールダウンして手動操作にて実験を実施した。但し、ドローンへのセンサ情報の取り込みができず、撮像画像の背景からの対象抽出という形での撮像性能評価とした。このため、センサ情報のドローンへの取り込みの設計外注費を最終年度に移行することとし、その経費の使用用途も既存制御プログラムを購入して大学でカスタマイズする方向としている。
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Research Products
(2 results)