2019 Fiscal Year Annual Research Report
植物の光合成産物の移行動態を3次元的に機能解析する
Project/Area Number |
17K08038
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
石井 里美 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線生物応用研究部, 主任研究員(定常) (10391286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 郁 宮城大学, 食産業学群(部), 准教授 (30360530)
河地 有木 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線生物応用研究部, 上席研究員(定常) (70414521)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 光合成産物の移行 / RIイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
医療用の機器開発研究で生み出されたポジトロン断層法(Positron Emission Tomography; PET)装置と放射性同位元素C-11を標識した二酸化炭素を用いて、植物体内の、特にシンク器官である果実へ流入する炭素栄養の動態をイメージングすることを目的とした技術開発を行った。量研内の別の研究チームによって開発された医療用のPET装置、OpenPETを大気環境調節が可能な植物実験庫内に設置し、植物RIイメージング実験に必須となる治具や非密封RIであるC-11標識二酸化炭素を安全に利用するための送気システムをポンプやマスフローコントローラーで作製し、準備した。そこで、イチゴの植物体を供試し、葉から果実へ運ばれる炭素栄養の動態を撮像した。実験は成功し、C-11で標識された光合成産物が果実内部に到達する様子がイメージングされた。さらに果実内分布の非一様性がわかり、C-11標識二酸化炭素を吸収させた葉と果実内の師管との連結が示唆され、3次元撮像ならではの知見を得ることができた。この評価試験の結果を、"Fruit PET: 3-D imaging of carbon distribution in fruit using OpenPET"と題し、国際会議SORMAで発表するとともに、NIM-A誌で論文発表[DOI: 10.1016/j.nima.2019.01.069](in press)することができた。しかしながら、研究代表者がH30年度から体調不良で病気療養となり、R1年度途中退職したため研究は中断した。
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