2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of functional role of the endoplasmic reticulum stress response in muscle hypertrophy
Project/Area Number |
17K08042
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
米倉 真一 信州大学, 学術研究院農学系, 教授 (40443113)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 骨格筋分化 / 小胞体ストレス応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋は、筋芽細胞が細胞融合し多核の筋管に分化することによって形成される。骨格筋分化誘導前から分化誘導直後の細胞において誘導される分子メカニズムに関しては、細胞融合や終末分化の分子メカニズムと比較して未だ知見が少ない。2017年度の研究より、UPR分子の1つXBP1をノックダウンした細胞では、分化直後にオートファジーの亢進が生じていることを明らかにしている。また2018年度の研究より、XBP1ノックダウン細胞ではアポトーシスの亢進が生じていること、さらにIRE1-XBP1シグナルが、分化直後の細胞生存や分化進行において重要な役割を担うことを明らかにしている。最終年度である2019年度においては、転写因子XBP1が直接転写調節している遺伝子を同定し、同定した分子とオートファジー亢進およびアポトーシス亢進との関連性を検討した。 まずコントロール細胞とXBP1ノックダウン細胞を用いて、RNA seq解析を行い、その解析データの中から、Cdk5という分子に着目した。Cdk5は骨格筋分化に不可欠な因子であることが報告されている。Cdk5の遺伝子発現は未分化細胞で最も高く、分化とともに減少するという活性化XBP1と同様の発現パターンであることが明らかとなった。また、XBP1ノックダウン細胞では、Cdk5遺伝子発現が有意に抑制されており、ChIP assayおよびルシフェラーゼassayより、活性化XBP1 はCdk5を直接転写調節していることが明らかとなった。 Cdk5の活性阻害剤Roscovitine添加により筋管形成を著しく抑制したが、分化初期におけるアポトーシス細胞死や、オートファジーに関しては特に影響がなく、Cdk5はXBP1ノックダウン細胞で確認されたアポトーシス細胞死やオートファジーの亢進には関与していないことが示された。
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