2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K08065
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 真子 九州大学, 農学研究院, 准教授 (80452746)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Pax7 / Preadipocytes |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は細胞培養系を用いて、有用な家畜の創出のためのバイオマーカーの候補としてPaired Box 7 (Pax7)に着目して解析を行っている。これまでPax7は筋肉幹細胞に発現する遺伝子であり、筋肉細胞においては分化初期のマーカーとして広く知られている。このような早期マーカーのメカニズムを知ることで、筋肉ー脂肪組織がどのようにして形成されているのかを明らかにすることで、食肉の質向上を目指すことを上位目標としている。今年度の実績として、Pax7を脂肪前駆細胞に強制発現させた細胞株を樹立して解析を進めた結果、Pax7の発現株では脂肪滴の形成が阻害された。また脂肪分化マーカーの発現も抑制されていた。これらの結果から、Pax7は脂肪細胞の分化を抑制することを明らかとした。 さらに、新たな肉質の指標となるマーカーを探索しており、ペルオキシソームに発現するNudix Hydrolase 7 (Nudt7)に着目しNudt7が筋肉細胞分化に与える影響についても検証を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに得られたPax7発現脂肪前駆細胞の分化抑制機構については結果をまとめ論文を投稿している。さらに、この細胞を筋肉細胞へ分化誘導できる培養条件の検討を行っている。さらにNudt7が筋管の筋線維タイプによる発現変動が認められるか実験を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在も、筋肉細胞分化が可能な脂肪様細胞とはどのような特徴を持つものなのか、分子生物学的手法を用いて解析を進める。さらに、Pax7が脂肪細胞マーカーを抑制するメカニズムについてもプロモーターアッセイ等を用いて解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度に計画していたRNA-seq解析をRT-qPCR解析法に変更した。RT-qPCR法で必要な試薬類はRNA-seq法に比較して安価であり、短時間で結果を得ることができた。平成30年度はこのRT-qPCR解析法で得られた結果を展開し、細胞培養やタンパク質解析をさらに進める予定である。以上の理由からH30年度使用額の執行には問題ないと考えている
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[Journal Article] 食品としての油脂が骨格筋の代謝特性に与える影響と筋線維タイプとの関連2018
Author(s)
小宮佑介, 丸山アレクサンデル, 渡辺裕介, 内田直愛, 大津翔平, 小林千亜暉, 横山壱成, 鈴木貴弘, 中村真子, 辰巳隆一, 池内義秀, 水野谷航, 有原圭三
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Journal Title
栄養生理研究会報
Volume: 62
Pages: 9-17
Peer Reviewed
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