2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of steatosis-related preneoplastic liver lesion using markers for autophagy
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17K08075
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
吉田 敏則 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80726456)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脂肪肝 / 糖尿病 / 肝前がん病変 / オートファジー / LC3 / p62 / GST-P / ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、比較的短期間で初期肝発がん過程の観察が可能なラット肝中期発がん試験法に高脂肪飼料を用いた脂肪肝モデルと膵臓β細胞傷害物質ストレプトゾトシンを用いた糖尿病モデルを組み合わせることで、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)のリスク因子となる糖尿病負荷条件下におけるオートファジー促進剤カルバマゼピンおよびベラパミルのNAFLD・糖尿病関連肝前がん病変進展における影響を検討した。 高脂肪飼料・ストレプトゾトシン処置群で軽度の糖尿病の発現と体重増加の抑制及びNAFLDスコアの増加が認められた。前がん病変指標GST-P 陽性巣面積が増加を示し、GST-P陽性巣内のオートファジー指標LC3及びp62の発現率ともに増加し、オートファジーの後期抑制が示唆された。両オートファジー促進剤投与によりGST-P 陽性巣が高脂肪飼料単独群と同程度に抑えられた。LC3発現率がカルバマゼピン投与で増加し、p62発現率は両オートファジー促進剤投与により減少し、p62とLC3プロット図の解析からもオートファジーの促進が示唆された。肝臓の遺伝子発現解析では、オートファジー関連遺伝子 (Atg5、Atg6、Atg7、Lamp1、Lamp2)の発現がカルバマゼピン投与により有意に減少した。以上の結果から、ストレプトゾトシン投与・高脂肪食給餌条件下では、オートファジーの後期抑制を介して糖尿病・脂肪肝に関連した肝前がん病変形成が増加するが、オートファジー誘導により肝前がん病変が抑制できることが示唆された。
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