2019 Fiscal Year Research-status Report
レストンエボラウイルス感染実態の解明を目指した新たな基盤技術の創出
Project/Area Number |
17K08091
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
福士 秀悦 国立感染症研究所, ウイルス第一部, 室長 (80373398)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | レストンエボラウイルス / モノクローナル抗体 / ウイルス感染症 / 血清診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
レストンエボラウイルス(REBOV)はカニクイザルに致死的な集団感染を起こすエボラウイルスである。近年、種々のエボラウイルスに抗原的に類似したウイルスの存在が示唆されたことから、REBOVのみ特異的にスクリーニングできる抗体検出法の開発が必要となってきた。また、2015年にフィリピンのサル飼育施設で発生したREBOV感染流行では、無症候の感染サルが多く存在することが、我々の抗体検査で明らかになった。本研究では、サルにおけるREBOV感染実態を解明するための基盤技術の確立を目指す。昨年度までに、REBOV特異的遺伝子検出系を開発し、フィリピンの感染サル組織を用いてその特異性、感度を検証した。次に競合ELISAにより、REBOV特異的抗体測定法を開発するため、293T細胞で発現させたREBOVのGPを抗原として用い、GPに対するモノクローナル抗体の作製を試みたが、特異的中和クローンは得られなかった。このため、抗原調製方法を変更し、組換えワクシニアウイルスLc16m8ベクターをベースにGPを組込み、GP発現ワクシニアウイルスm8-REBOV-GPを作製した。組換えワクシニアウイルスLc16m8はこれまで、様々なウイルスのGP発現ベクターに用いられており、マウスに免疫(接種)すると、高い中和血清が得られる。本研究においても、m8-REBOV-GPがモノクローナル抗体を得るための有用なツールとなると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
REBOV-GPに対するモノクローナル抗体の作製が順調に進まなかった。免疫抗原を哺乳細胞発現GPから組換えワクシニアウイルスに変更した。組換えワクシニアウイルスの作製等に時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
作製したワクシニアウイルスからのGPが発現するかどうか検証し、免疫原として使用可能か検討する。GPに対するモノクローナル抗体を用いた競合ELISAが確立できない場合、NPに対するモノクローナル抗体を用いた競合ELISAに変更する。このため、NPに対するモノクローナル抗体の大量調製に着手する。
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Causes of Carryover |
開発したレストンEBOVの抗体検出法の検証が引き続き必要となった。また、研究成果を学会、国際誌等で発表するため。 年度末納品等にかかる支払いがR1年4 月1日以降となったため。
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Research Products
(2 results)