2020 Fiscal Year Annual Research Report
Association of paraneoplastic macrophages in the treatment of NSAIDs for refractory canine transitional cell carcinoma
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17K08093
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
星野 有希 岩手大学, 農学部, 准教授 (80523323)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 犬マクロファージ / RNA-seq / M2抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
犬のPBMCより以下の2つの方法でマクロファージの誘導を実施した。MACSによる抗CD14抗体陽性細胞分離からRPMI1640培地+犬血清を用いる培養法、FBS無添加マクロファージ基礎培地を用いてPBMCを培養し,2%犬血清添加(M0),LPS+IFNγ添加(M1),IL-4+I-13添加(M2)により3種類のMφ様細胞に誘導する方法を実施し、これらのMφ様細胞に対して細胞数計測、発現遺伝子の解析,形態観察,および貪食能の評価を行った。PBMCから複数の方法で誘導したMφ様細胞はいずれも形態的,機能的,および遺伝子的にMφであると思われた。FBS無添加培地に誘導因子を用いる方法が最も効率よくMφを採取できると思われた。これらのMφの網羅的遺伝子解析としてRNA-seqを実施し、発現遺伝子を比較した。 得られたMφを犬の膀胱移行上皮癌細胞とセルカルチャーインサートを用いて共培養を実施したところ培養上清中のプロスタグランジン濃度の変化、Mφの遺伝子発現の変化が認められた。 Mφと膀胱移行上皮癌細胞を共培養し、M2型Mφを抑制するcorosolicacid、M1型Mφを誘導する E7046 の細胞障害試験を実施したところ、E7046には明確な変化は認めなかったが、corosolicacid添加の膀胱移行上皮癌細胞に対する細胞障害作用は増強した。従ってM2型を抑制することにより犬Mφの抗腫瘍作用が増強する可能性が考えられた。 以上の結果よりFBS無添加培地で誘導したMφ様細胞は、今後の実験に十分使用可能でありまたM2型を抑制することにより犬の腫瘍に対する抗腫瘍効果を増強させる可能性が示唆された。
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