2019 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of the development of pancreatitis due to heart failure in dogs and establishment of new treatment methods
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17K08100
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
福島 隆治 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10466922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 海織 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (50588960)
岩永 朋子 鹿児島大学, 共同獣医学部, 助教 (60713287)
三浦 直樹 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 教授 (80508036)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 犬 / 膵炎 / 膵腺房細胞 / 心不全 / 犬膵特異的リパーゼ / 病理学的検査 / 造影超音波検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、心機能低下に起因した膵臓と腎臓における血流量減少の差異の検討を行った。昨年度は心不全モデルにおける膵血流量を評価し、実際に心拍出量の低下に起因した膵血流量の減少を明らかにした。そこで心機能低下による低灌流障害が広く認知されている腎臓と比較して、どのような膵臓の血流減少との間にどのような差異が存在するかを明らかにすることを試みた。その結果、膵臓は腎臓よりも早期に血流量が低下することが示唆され、血液量の減少率も腎臓よりも大きいことが判明した。 そして、この心不全に起因した膵臓血流量減少により、膵臓組織にどのような病理学的変化が生じるかを光学顕微鏡を使用し調査した。その結果、膵腺房細胞においてチモーゲン顆粒の減少を伴う萎縮が確認された。一方、この病理学的所見は、犬の膵臓障害を知るためのバイオマーカーである犬膵特異的リパーゼ活性(cPLI)では検出できないことも明らかとした。 以上の現象は、心不全(心拍出量低下)に起因した膵臓血流量の低下が原因である。このことから、心拍出量増加が期待できるCaセンシタイザーであるピモベンダンを投与することで、膵臓血流の維持ならびに膵臓の病理学的所見の軽減を期待できると考えた。ピモベンダンを心不全モデル犬に投与した結果、COの維持と膵臓血流の低下の軽減および膵腺房細胞においてチモーゲン顆粒の減少を伴う萎縮の軽減が確認された。 よって、膵臓血流を維持改善することが、膵機能障害に対する積極的治療に繋がることを明らかにした。これは新しい膵機能障害の治療選択として世間に提示できるものと強く思われる。
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Research Products
(6 results)