2017 Fiscal Year Research-status Report
犬血管肉腫に対するTRAIL経路の活性化によるアポトーシス誘導治療法の基礎的研究
Project/Area Number |
17K08101
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
酒井 洋樹 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (40283288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 麻美 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (30597125)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 血管肉腫 / TRAIL / 犬 / アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
犬の血管肉腫細胞株に対するTRAILの細胞傷害効果を,市販されている3種類のヒト組み換えTRAIL(大腸菌発現組み換えヒトTRAIL Thr95-Gly281,哺乳類発現組み換えヒトTRAILVal114-Gly281,イソロイシンジッパー構造導入哺乳類発現組み換えTRAIL)を用いて評価した。 方法としてWST-1法を用い,24,48および72時間後に,細胞生存率をプレートリーダにより測定した。その結果,大腸菌発現組み換えヒトTRAIL Thr95-Gly281はほとんど効果を示さなかった。さらに哺乳類発現組み換えヒトTRAILVal114-Gly281ではある程度の効果はあったものの,イソロイシンジッパー構造を導入し,三量体形成を容易かつ強固にしたizTRAILが最も効果があることが明らかになった。 さらに,ウェスタンブロッティングによるCaspase-3およびCaspase-8の開裂による活性化,Caspase-3の基質の一つである,Poly(ADP-ribose)polymerase(PARP)の分解,蛍光顕微鏡下での核断片化の評価およびフローサイトメトリーによるAnnexin V/PIによるアポトーシス解析,PI染色による核断片化細胞の検出及び細胞周期解析を,TRAIL処理後,早期の1-6時間を加え,48時間までで行った。 その結果,形態的変化として核断片化,生化学的変化としてCaspase-3およびCaspase-8の開裂による活性化が観察され,さらにPARPの分解の確認され,また,Annexin V+/PI-の細胞が増加し,izTRAILで誘導される細胞死は,TRAIL経路の活性化を示すCaspase-8の活性化を介したアポトーシスであることが分かった。また,TRAILは,感作後,数時間という早い時期からその作用を示し始めることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標としていた有効性の高いTRAILの選定ができ,さらにそのTRAILの殺腫瘍細胞効果が細胞内のTRAIL経路を介したアポトーシスであることが分かったから。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は予定通り,内在性TRAILの誘導物質であるTIC10の犬の血管肉腫細胞に対する細胞傷害効果を検討する。さらに,TRAILの作用を増強するとされるZerumboneの効果も併せて評価する。
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