2018 Fiscal Year Research-status Report
犬血管肉腫に対するTRAIL経路の活性化によるアポトーシス誘導治療法の基礎的研究
Project/Area Number |
17K08101
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
酒井 洋樹 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (40283288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 麻美 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (30597125)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 血管肉腫 / 犬 / TRAIL / in vitro |
Outline of Annual Research Achievements |
犬血管肉腫細胞株に対する,tumor necrosis related apoptosis inducing ligand (TRAIL)の抗腫瘍効果を検討した。9つの犬血管肉腫細胞株を使用し,3種類のrecombinant human(rh)TRAIL (TRAIL-TEC,TRAIL-TLおよびizTRAIL)の犬血管肉腫細胞株に対する細胞傷害性をWST-1法により評価した。 その結果,izTRAILが最も犬血管肉腫細胞株に効果的であり,izTRAIL 100 ng/ml 処理72時間後には,生存率は半分以下になり,IC50は1.46±1.24から53.97±63.06 ng/mlで,特にJuB4では非常に高い感受性を示した。また,JuB4,Re12およびUd6にizTRAILを添加したところ,Annexin V/ PI染色では,JuB4においてはizTRAIL添加8時間後から,Re12およびUd6では36時間後からAnnexin V+/ PI-の細胞数が増加した。DAPI染色でも核の断片化が認められ,さらにPI染色によってSub-G1の細胞が増加した。 ウエスタンブロッティングでは,いずれの細胞株についてもcaspase-3の活性化が観察された。また,JuB4およびRe12ではcleaved caspase-8も有意に検出され,TRAIL経路で活性化するcaspase-8の活性化も確認された。caspase-3もしくはcaspase-8の阻害剤により,izTRAILの細胞傷害効果は抑制され,さらにフローサイトメトリ―によるSub-G1細胞の減少も観察された。 今回の結果から,TRAILは,その外因性経路を経たアポトーシス誘導により犬血管肉腫細胞株に細胞傷害効果を示すことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り,TRAILの血管肉腫への腫瘍細胞傷害効果を証明でき,論文として報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
犬血管肉腫細胞株において、細胞株間でもTRAIL感受性に差がみられたことから、これらの感受性に寄与すると考えられる因子について検索する予定である。
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