2017 Fiscal Year Research-status Report
イヌメラノーマに対するmicroRNAを用いた個別化医療の確立
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17K08107
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
野口 俊助 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (10701295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 崇 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (40402218)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | microRNA / メラノーマ / 放射線照射 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度においては、まずイヌメラノーマ細胞株CMM1およびKMeC、ヒトメラノーマ細胞株A2058の放射線感受性を検証し、各細胞株のLD50線量を決定した。A2058細胞に対し、LD50に相当する4Gyで放射線照射を行い、6および12時間後にトータルRNAを抽出した。A2058細胞の照射前および6時間後のトータルRNAを用いて、microRNA microarrayに供し、放射線反応性microRNA群を検証した。また、イヌメラノーマ細胞株KMeCおよびCMM1を用いて放射線耐性株を作製した。作製は、LD50に相当する放射線を月曜日から金曜日まで照射し、およそ4週間かけて行った。 microarrayで候補として挙げた数種類のmicroRNAについて、当初A2058細胞、KMeC細胞、CMM1細胞に放射線を各細胞のLD50相当の線量で照射し、照射前、照射後6および12時間でトータルRNAを抽出し、real time PCRで発現の変化を検証したが、microarrayの結果を再現できなかった。そこで、耐性株と非耐性株間で発現の違いをreal time PCRで検証した。その結果、miR-Xの発現が複数の細胞株で同様のパターンを示した。 放射線照射後の継時的変化においてmiRNAの発現パターンがmicroarrayの結果を再現しなかった理由としては、照射線量の誤差や細胞回収のタイミングの誤差などが影響した可能性が考えられた。一方、放射線耐性株は安定的にその表現型を有しているため、実験の再現性という観点から優れている、と考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
放射線抵抗性株の作製および放射線照射に反応するmiRNAの網羅的解析(microRNA microarray)は予定通り終了している。研究対象とするmicroRNAの絞り込みに予定よりも時間を要したが、miR-Xを研究対象として絞り込んだ。現在、miR-Xがメラノーマ細胞の放射線感受性に与える影響を検証中である。
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Strategy for Future Research Activity |
miR-Xのmimicあるいはinhibitorをメラノーマ細胞に導入し、放射線感受性の変化を検証する。放射線感受性に与える影響を確認でき次第、miR-Xが関連するsignaling cascadeを同定する予定である。 また、放射線照射に反応するmicroRNA群をより強固に同定するために、放射線抵抗性株と非抵抗性株を用いてmicroarrayを行うことも検討している。
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Causes of Carryover |
平成29年度においては、検体保存用のディープフリーザー代を計上していたが、当該年度においては既存のディープフリーザーのスペースの利用で検体保存が可能であったため、購入を見送った。 平成30年度においては、検体数に応じてディープフリーザーの購入を検討する。
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Research Products
(1 results)