2018 Fiscal Year Research-status Report
イヌメラノーマに対するmicroRNAを用いた個別化医療の確立
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17K08107
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
野口 俊助 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (10701295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 崇 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (40402218)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | イヌメラノーマ / microRNA / 放射線治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、イヌメラノーマ細胞の放射線感受性に影響を与えるmiRNAとして、miR-205を同定した。miR-205はイヌメラノーマ細胞の放射線感受性を増強することを見出し、論文化しJapanese Journal of Veterinary Researchに投稿し、受理された(Wada Y, Noguchi S, et al. 2019 in press)。 また、その他の放射線感受性に影響を与えるmiRNAとしてmiR-374bを同定した。我々はイヌメラノーマ細胞にX線照射を行い、放射線抵抗性株を作製した。miR-374bは放射線照射後のメラノーマ細胞および放射線抵抗性株において有意に発現亢進しており、メラノーマ細胞にmiR-374bを導入すると放射線抵抗性が亢進することを見出した。また、miR-374bの放射線抵抗性メカニズムはがん抑制遺伝子であるPTENの発現低下が関与することが明らかとなった。ルシフェラーゼアッセイにより、miR-374bはPTENを標的遺伝子とすることも併せて明らかとなった。これらの結果より、イヌメラノーマ細胞においてはmiR-374b/PTENシグナルカスケードが放射線治療の反応性に重要であることが示された。この内容については、現在論文執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題が開始してから2年間で、イヌメラノーマの放射線感受性に関わるmiRNAを2種類同定することができた。1種類に関しては既に論文化することに成功し、2種類目も論文執筆可能なデータを得ることができた。以上の理由から、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2本目の論文を投稿し、受理されるところまで進めるとともに、同定した2種類のmiRNAに関して、臨床サンプルを用いて発現量と放射線治療の効果についてprospectiveに検証する予定である。
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Causes of Carryover |
研究進捗状況は概ね予定通りだが、最終年度により発展的な分子生物学的実験を行う予定であり、そのための試薬代として当てるため、一部を最終年度に繰り越した。
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