2018 Fiscal Year Research-status Report
Neuronal mechanism for regulating maternal behavior under negative energy conditions
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17K08119
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
室井 喜景 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (80552760)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | オキシトシン / 養育行動 / 背側縫線核 / 室傍核 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は母マウスのエネルギー状態に応じた養育行動の発現制御に関わる神経機構を明らかにすることを目的として実施した。昨年度までに絶食により母マウスの養育行動は抑制されるが、低エネルギー状態に移行する途中の軽度の低エネルギー状態では背側縫線核でオキシトシンが働くことにより養育行動を発現できることを明らかにした。今年度はそのような母マウスの性質を司る神経機構を詳細に解析した。 まず初めにオキシトシンを分泌する脳領域を明らかにするため、オキシトシン陽性神経細胞が多く分布する室傍核と視索上核に着目した。絶食なし、3時間絶食後、8時間絶食後の各条件下で、母マウスから仔を離した後再び仔をケージに戻す操作を行った。免疫組織化学的方法を用いて解析したところ、3時間絶食後に仔を再提示した場合、室傍核でオキシトシンの陽性シグナルが有意に減少した。次に組織中のオキシトシン含量をELISAを用いて調べたところ、免疫組織化学的解析と同様に3時間絶食後に仔を再提示した場合で減少した。このことから、3時間絶食後に母マウスが仔のシグナルを受け取ることによって室傍核からオキシトシンが分泌されることが示唆された。 次にオキシトシンが室傍核から背側縫線核に到達する様式を検討した。3時間絶食後に仔を提示した場合、血液中のオキシトシン濃度は変化しなかったことからホルモンとして分泌されていないと考えられる。また逆行性トレーサーを用いて解析したところ、室傍核から背側縫線核に入力する神経投射は確認できなかったため、シナプス伝達によらないと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の最終段階の実験を実施中であり、今年度中に論文投稿できる状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
オキシトシン神経の活動を操作し養育行動に対する影響を評価する。次に室傍核からの分泌様式を明らかにする。
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Causes of Carryover |
昨年度は今年度予算を前倒し請求した。実験計画を前倒したため前倒し請求したが、条件設定などに時間がかかったため一部の実験が前倒しの計画よりも遅れたため予算消費が少なく済んだ。そのため、該当する実験は当初の予定通り次年度に実施することにした。
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