2018 Fiscal Year Research-status Report
In vivoの状態を忠実に反映した高品質な新型ES・ iPS細胞の樹立
Project/Area Number |
17K08135
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
築山 智之 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 助教 (60612132)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | カニクイザル / 多能性幹細胞 / ES細胞 / iPS細胞 / ゲノム編集 / CRISPR/Cas9 |
Outline of Annual Research Achievements |
In vivoの状態を忠実に反映した高品質な新型ヒトおよびカニクイザルES・ iPS細胞を樹立するために、「Naive」な多能性幹細胞を濃縮するためのレポーターならびに、「Formative」な多能性幹細胞を濃縮するためのレポーターを作製し、カニクイザルES細胞へのレポーターノックインを行った。この過程で、新たに樹立したカニクイザルES細胞株(Seita Y., Tsukiyama T. et al., Biology of Reproduction)、ならびに実験初心者でも容易に培養できるよう工夫したレポーター入りのカニクイザルES細胞株(Kobayashi K., Tsukiyama T. et al., Stem Cell Research)を樹立し、それぞれ論文として報告した。 また、狙った標的部位に変異を持つノックアウトカニクイザルの作出を試み、常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)の主要な原因遺伝子であるPkd1遺伝子を欠損した遺伝子改変個体の作出に成功した。分子生物学的手法により、全頭において変異導入を確認した上、流産胎仔ならびに生存産仔を詳細に解析した結果、腎臓、肝臓、膵臓における嚢胞発生が確認されたことから、カニクイザルにおいてADPKDの病態の再現に成功したと言える。さらに、従来のマウスを用いた疾患モデルでは再現ができなかった幼若期からの嚢胞形成も確認された。これらの結果より、カニクイザルにおいて疾患モデルを作出することにより、マウスなどの小動物を用いた従来の疾患モデルよりも正確にヒトにおける病態を再現できることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定のみならず、疾患モデル作製におけるカニクイザルの利用の有用性を明らかにしつつある。常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)の主要な原因遺伝子であるPkd1遺伝子を欠損した遺伝子改変個体の作出に成功し、ADPKDの病態の再現にも成功した。さらに、従来のマウスを用いた疾患モデルでは再現ができなかった病態も再現できたことから、カニクイザルにおいて疾患モデルを作出することにより、マウスなどの小動物を用いた従来の疾患モデルよりも正確に病態の再現できることを示した。ADPKDは、最も頻度の高い遺伝的腎疾患であるにも関わらず、決定的な治療法は存在しない。本研究で得られた成果により、今後、ADPKDの研究が飛躍的に進展する可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定されていた実験計画に加え、CRISPR/Cas9技術による遺伝子改変カニクイザルの作出実験にも力を入れていく。これにより、当初予定していた研究との相乗効果が期待できる。
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Causes of Carryover |
遺伝子改変カニクイザルの作製および解析に使用するため、次年度への配分を増やした。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Generation of an OCT3/4 reporter cynomolgus monkey ES cell line using CRISPR/Cas92019
Author(s)
Kobayashi K. #, Tsukiyama T. *, #, Nakaya M., Kageyama S., Tomita K., Murai R., Yoshida T., Narita M., Kawauchi A., and Ema M. *
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Journal Title
Stem Cell Research
Volume: 37
Pages: 101439~101439
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Comprehensive evaluation of ubiquitous promoters suitable for the generation of transgenic cynomolgus monkeys†2019
Author(s)
Seita Y., Tsukiyama T., Azami T., Kobayashi K., Iwatani C., Tsuchiya H., Nakaya M., Tanabe H., Hitoshi S., Miyoshi H., Nakamura S., Kawauchi A., and Ema M.
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Journal Title
Biology of Reproduction
Volume: 100
Pages: 1440~1452
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] CRISPR/Cas9を用いた遺伝性腎疾患モデルカニクイザルの作出2018
Author(s)
築山 智之, 小林 憲市, 中家 雅隆, 岩谷 千鶴, 土屋 英明, 清田 弥寿成, 松下 淳, 北嶋 郁, 河本 育士, 中川 孝博, 福田 浩司, 岩切 哲平, 和泉 博之, 板垣 伊織, 中村 紳一朗, 河内 明宏, 依馬 正次
Organizer
日本分子生物学会
Invited
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