2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of endometrial regeneration mechanism by mesenchymal epithelial conversion of bovine endometrial stromal SP cells
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17K08141
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松山 秀一 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (50455317)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 幹細胞 / 子宮 / 牛 |
Outline of Annual Research Achievements |
経産牛における受胎率低下の一因として子宮回復不全が挙げられる。子宮は分娩時に胎盤が剥離して損傷を受ける一方、その後速やかに子宮内膜が再生することで修復される。したがって、分娩後の子宮内膜再生の不具合が受胎率低下に関与していると考えられるが、牛子宮内膜の再生機序は未だ解明されていない。我々はこれまでに、他の動物種で幹細胞活性を有すると報告されているSide population(SP)細胞が、牛子宮内膜間質細胞にも存在することを明らかにしており、令和元年度は子宮内膜SP細胞の特性について検討を行った。牛子宮内膜細胞を単離し、DNA染色剤Hoechst33342にて染色後、フローサイトメトリーおよびセルソーターを用いてSP細胞とSP細胞以外の細胞(Main Population, MP細胞)を分取した。SP細胞(n=3)とMP細胞(n=3)における遺伝子発現をRNA-seqにより解析した結果、SP細胞とMP細胞はそれぞれ異なるクラスターに分類され、各細胞における遺伝子発現パターンが異なることが示された。MP細胞と比較してSP細胞で高発現であった遺伝子(2851個)についてGene Ontology解析を行った結果、核酸代謝、血管発達といった機能や幹細胞の自己複製や分化に関わるシグナリングに関与する遺伝子が多く含まれており、幹細胞マーカーや血管内皮細胞、血管周囲細胞のマーカー遺伝子も含まれていた。ヒトにおいて幹細胞特性を有する子宮内膜SP細胞は血管内皮前駆細胞に類似した性質を有し、少なくともその一部は骨髄由来の細胞が含まれることが報告されている。これらの報告とRNA-seq解析による本実験結果から、ウシ子宮内膜で確認されたSP細胞も幹細胞/前駆細胞様の特性を有し、その一部は骨髄由来である可能性が考えられた。
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Research Products
(1 results)