2018 Fiscal Year Research-status Report
Engineering a Chimeric Complex of Plant Enzymes to Improve Photosynthetic Production of Bio-ethylene by Cyanobacterium.
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17K08174
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
神藤 定生 名城大学, 理工学部, 助教 (90583865)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エチレン / シアノバクテリア / 酵素複合体 / Synechococcus / コヘシン / ドックリン / ACC合成酵素 / ACC酸化酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、光合成細菌の光合成産物をバイオエチレンとして回収する研究である。さらに、嫌気性微生物のバイオマス分解系を模倣した酵素複合体化技術により、エチレン生合成酵素を光合成細菌で効率よく機能させる基盤技術の開発を行い、これを展開させた。 本年度では単位時間当たりのバイオエチレン生産量増加を目的に、菌体再利用による単位培養液あたりの細菌密度を高めたバイオエチレン連続生産プロセスの検討を行った。具体的には、6~24時間のエチレン生成後の菌体を回収し、6~24時間のバブリング培養による回復培養後、再度エチレンを生成させ、その生産量をGCで分析した。結果、最適なエチレン連続生成プロセスは、12 時間のエチレン生成と24時間の回復培養のサイクルであり、かつ、その上限は7サイクルであることを明らかにした。また、上限回数を制限する要因として、都度の回復培養により菌密度が1.1倍ずつ増加し、これがエチレン生産量の低下に影響したと考えられる。すなわち、培養液の希釈によるシアノバクテリア濁度の低減によって、再度、連続生産プロセスに供することが可能であることが示唆された。 いっぽう、エチレン合成に関わる2段階の連続反応のうち、ACOは律速段階であり、かつ、その発現量は少ない。そこで、ACOの発現効率を向上させることを目的として、以下の試みを行った。(1)ポリシストロニックmRNA中のACOをプロモーター直下に配置した発現ベクターpUC303-SOC2B-P0を構築した。(2) ACOを構成する触媒ドメインとドックリンドメインの位置を逆転させたN末ドックリンコンストラクトを構築した。 以上の成果から、酵素複合体の拡大とACOの高発現によって効率的なバイオエチレン生産効率が見込める結果となり、CO2を資源としたバイオエチレンの生産の社会実装に必要な基盤技術を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度以降に計画した、光合成細菌の培養最適条件を確保することを目的に、菌体再利用によるバイオエチレン生産を検討した。結果、最適なエチレン連続生成プロセスは、12 時間のエチレン生成と24時間の回復培養のサイクルであり、かつ、その上限は7サイクルであることを明らかにした。これによって、バイオエチレン生成後の菌体を再利用することが可能となり、その培養の都度要するコストを省くことができる。 いっぽう、ACOの発現効率を向上させることを目的として、ACO高発現プラスミドコンストラクトを構築した。現在、当該プラスミドを保持した組換え体を確保し、そのバイオエチレン生産効率を測定している。 以上より、当初の計画通り、おおむね順調に進めていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度は、(1)構築したACO高発現株を用いて、バイオエチレンの生産効率を測定する、また(2)さらなる単位時間当たりのバイオエチレン生産量増加を目的に、光合成細菌内でのACO 活性回復に必要と考えられる抗酸化剤、例えばグルタチオンやアスコルビン酸と同一の標準電極電位を持つ金属などを培養液中へ添加し、バイオエチレン生産量を観察する、などの条件検討を行い光合成細菌の培養最適条件を確保する。さらに、これら酵素複合体シリーズを持つ光合成細菌の培養最適条件を検討し、より成果を上げるために精力的に研究を展開する。
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[Journal Article] Biochemical Characterization of CYP505D6, a Self-Sufficient Cytochrome P450 from the White-Rot Fungus Phanerochaete chrysosporium.2018
Author(s)
Sakai K, Matsuzaki F, Wise L, Sakai Y, Jindou S, Ichinose H, Takaya N, Kato M, Wariishi H, Shimizu M
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Journal Title
Applied and Environmental Microbiology
Volume: 84
Pages: e01091-18
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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