2019 Fiscal Year Annual Research Report
Engineering a Chimeric Complex of Plant Enzymes to Improve Photosynthetic Production of Bio-ethylene by Cyanobacterium.
Project/Area Number |
17K08174
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
神藤 定生 名城大学, 理工学部, 助教 (90583865)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | エチレン / シアノバクテリア / 酵素複合体 / Synechococcus / コヘシン / ドックリン / ACC合成酵素 / ACC酸化酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は、光合成細菌の光合成産物をバイオエチレンとして回収する研究である。さらに、嫌気性微生物のバイオマス分解系を模倣した酵素複合体化技術により、エチレン生合成酵素を光合成細菌で効率よく機能させることを目的に研究を展開させた。 エチレン生合成に関わる2段階の連続反応のうち、ACOのVmax値はACSの約270分の1の値をもつ。すなわち、ACOは律速段階であり、かつ、その発現量は少ない。以上の課題に対して、本年度、われわれはタンパク質を高生産させる10アミノ酸程度のタグ配列をSOC2株のACO-Acdoc のNおよびC末端に付加したSOC2-タグ株を構築することでACOの高発現を試みた。結果、バイオエチレン生産活性がSOC2株の2.4倍増大し、既存の生産株を超える生産能を獲得した。また、同様に、タンパク質高生産タグを付加したACOをもつSOC4-タグ株を構築し、これを保持するシアノバクテリアのバイオエチレン生産効率をGCで定量した結果、SOC4株より1.4倍高い値を得た。すなわち、SOC4-タグ株はSOC2-タグ株よりタンパク質高生産タグの効果が低かった。また、SOC4-タグ株の培養過程において、その細胞増殖速度がSOC4株より遅かった。以上から、シアノバクテリアの代謝経路に何らかの阻害要因あるのではないかと考えられる。 CO2固定化能およびエチレン生産能を定量し、CO2からエチレンへの物質変換効率を算出することを目的に、エチレン生産株のCO2固定化能を野生株と比較した。結果、単位濁度あたりの1日の平均CO2吸収能を算出すると、SOC2株の方が野生株より1.3倍高いCO2吸収能を示した。 以上の成果から、酵素複合体の拡大とACOの高発現によって効率的なバイオエチレン生産効率が見込める結果となり、CO2を資源としたバイオエチレンの生産の社会実装に必要な基盤技術を確立した。
|