2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a novel metal electrode for enhanced power generation in microbial fuel cells
Project/Area Number |
17K08175
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
山下 恭広 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 主任研究員 (60547719)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 微生物発電 / 金属系アノード / 生物膜 / Geobacter / モリブデン |
Outline of Annual Research Achievements |
一般的に微生物燃料電池のアノードには炭素素材が使用されているが、金属系素材はほとんど利用されていない。これまでの研究により、炎酸化ステンレス鋼アノードが、一般的に使用される炭素素材よりも、高い出力が得られることを明らかにしている。本研究では、更なる出力向上を目指し、新規金属アノードを開発するために、14種類の金属(アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、インジウム(In)、スズ(Sn)、タンタル(Ta)、タングステン(W)とそれらの酸化金属31個の計45個のアノードについて網羅的な発電性能を評価した。その結果、未処理のモリブデンおよび電気化学的に酸化されたモリブデンアノードが、最も高い出力密度を示し、炎酸化処理されたタングステン、炎酸化処理された鉄、炎酸化処理されたモリブデン、及びスズに関するアノードが上記のアノードに次いで高かった。 炎酸化処理された鉄の出力は、炎酸化ステンレス鋼アノードの出力とほぼ同程度であった。 微生物燃料電池で未処理のモリブデンアノードを使用すると、高い最大電力密度(1,296 mW/m2)が達成された。 モリブデンアノードは、試験期間中(350 d)検出可能な腐食もなく電流生成し続けることが確認された。Geobacterは、モリブデンアノードに形成された生物膜に多く検出され、地球上のモリブデンサイクルにこの細菌が関与している可能性が示唆された。
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