2018 Fiscal Year Research-status Report
Studies on the installation model of green infrastructure for adaptation to climate change
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17K08180
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
木下 剛 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 准教授 (30282453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永瀬 彩子 千葉大学, 国際教養学部, 准教授 (80544535)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | グリーンインフラ / 野生生物 / 生息地・生育地 / 生態系サービス / 気候変動適応 / 公園 / 河川 / 街路 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、日本国内のグリーンインフラ(以下GI)導入実態及び導入可能性の現地調査を19箇所で行った。確認できたGIのタイプ内訳は、水流・水体が8件、公園が12件、境内林が1件、樹林地が1件、街路樹が1件、緑化屋根が1件、施設の園地が1件、私有の個人庭園が2件、農耕地が1件である(重複があるので合計は19件とならない)。GIのタイプは、英国リバプールのGI戦略(Mersey Forest, 2010)におけるGIの類型を参考にした。そこでは、GIをタイプ別にマッピングするという観点から、中縮尺(2万5千分の1~20万分の1)の地図上に表現可能な規模の土地利用のタイプとなっていることから、必ずしもGIの本質的な特徴を示すものとはなっていない。例えば裸地面積の割合が高い公園と低い公園では、雨水を地下浸透させる能力に差があるというように、一口に公園といっても、GIとしての機能や程度はまちまちである。したがって、GIの機能とそれを発現させる形態(空間的条件)については、図上ではなく現地で確認する必要がある。 そうした視点からも現地調査を行った結果、GIのタイプによって、機能と形態の特徴的なパターンがいくつかみられた。また、GIとしての機能を高められる余地がまだまだある。そのためにクリアしなければならない様々なバリアもまた存在することが現地調査によって明らかとなった。加えて、現状ではGIと呼べないが、今後適切な整備や改良を行うことによってGIとして機能しうる空間条件を備えている、またそのようなニーズが地域にあるという事例も少なからず確認された。街路や住宅、事業所等の部門におけるGIの導入実態および導入可能性については、未だ十分な事例が得られていないが、今後事例調査を進めていく上で有効と考えられる、グリーンインフラの導入可能性に関するいくつかの作業仮設が構築できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究計画調書に示した、グリーンインフラ導入における3つの要素とバリア:機能と類型(ニーズ、デザイン、施工)、空間条件(立地条件、敷地条件)、事業スキーム(実施の体制、資金調達、法制度)のうち、事業スキームについては関係者への聞き取りが必要になり、その調整が難しいことから当初の予定よりも大幅に遅れている。このためなかなか街路や住宅、事業所の事例収集と現地調査が進んでいない状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
各事例に係る事業スキームに関する調査が遅れているので、この部分に傾注する。同時に街路や住宅、事業所の事例収集と現地調査を進める。
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Causes of Carryover |
上述した調査の遅れおよび海外調査を延期(国内調査を優先)しているため。平成31(令和元)年度は国内外の調査(研究計画調書に示した調査地を含む複数の調査地)のための旅費等、調査データの整理のための研究補助員への謝金、論文投稿料および学会参加費等を中心に執行する予定である。
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