2019 Fiscal Year Annual Research Report
Phosphoinositides control the formation in plant cells
Project/Area Number |
17K08200
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
平野 朋子 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 特任助教 (20724496)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | FAB1 / ホスホイノシタイド / 根毛の側面形成 / 表層微小管 / 二次細胞壁 |
Outline of Annual Research Achievements |
項目(a)について,完全に完了し,(b)について, 完全に完了しただけでなく,根毛に加え,葉の表皮細胞についても解析した.そして,(c)について,完全に完了し, (d)について,完全に完了しただけでなく,新たな微小管とFAB1の相互作用分子を同定し,表層微小管の人工的再構成の準備まで行うことができた. 本研究計画のすべてを完了し,根毛がまっすぐチューブ状に伸長しながら形態形成するが,これは,「異なる二つのイノシトールリン脂質PI(4,5)P2とPI(3,5)P2が,先端成長と側面形成を追随的に連続して行う」ことで達成される,ということを発見し,その分子メカニズムを解明した.PI(3,5)P2合成酵素FAB1とRho-typeの低分子量GTPaseであるROP10との相互作用,これらによる微小管制御,FAB1による二次細胞壁様構造成分の分泌制御,について,分子生物学的,細胞生物学的証明を行った.これに加え,AFMによる根毛の堅さの物理的測定を立ち上げた他,先端への極性分泌,表層微小管の密度,細胞壁の堅さ,膨圧などのパラメータによる根毛伸長形態形成の数理モデルの構築も世界初に確立することができた. また,本研究の遂行により,予想された研究結果の他に,新たな発見と研究が生み出された.例えば,根毛と葉の表皮細胞の形態形成における共通機構が示唆されたことで,葉の表皮細胞の複雑な形態を形作るための分子メカニズムを解明・証明する研究や,植物細胞の形態形成の一般的な法則性を求める研究などに加え,植物の形態形成の直接原因となる表層微小管の形成と二次細胞壁の形成に必要な分子の同定,それら分子とFAB1との関係における発見などである.
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