2018 Fiscal Year Research-status Report
遷移金属触媒の精密制御を基軸とする多環性高次構造アルカロイドの革新的合成
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17K08204
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
植田 浩史 東北大学, 薬学研究科, 講師 (50581279)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 長夫 信州大学, 繊維学部, 特任教授 (60124575)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | アルカロイド / 全合成 / タンデム触媒反応 / 酸素酸化触媒反応 / 二量体型天然物 / グアニジン / 鉄フタロシアニン / インドール |
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| Outline of Annual Research Achievements |
近年の医薬リード化合物の枯渇問題を受け、特異かつ複雑な骨格を有する生物活性天然物に注目が集まっている。しかし、高度に官能基化した天然物の合成は、現代の精密有機化学をもってしても容易ではなく、目的化合物の満足のいく量的供給や構造活性相関研究を視野に入れた誘導体合成は困難である。このような背景のもと、本研究課題では、高機能性金属触媒を用いたタンデム触媒反応や高活性金属触媒を用いた酸素酸化触媒反応の開発を基盤とし、高次構造多環性アルカロイドの革新的全合成に取り組んでいる。
1)タンデム触媒反応を基軸とする多環性含窒素の迅速合成において、本年度は以下の成果を得た。昨年度確立したカチオン性金触媒によるオートタンデム触媒機構を経るピロロピリミジン合成法を基軸とし、グアニジンを有する多環性アルカロイド、デヒドロバツェラジンCの不斉全合成を達成した。さらに、確立した合成経路をもとに、鍵工程に用いるアルキンの炭素数や合成終盤でのアシル化の炭素数を調整することで、側鎖の異なるバツェラジンEの全合成研究にも取り組み、主骨格の形成に成功した。
2)生体触媒を模倣した高活性酸化触媒を基軸とする二量体型天然物の収束的合成において、本年度は以下の成果を得た。アルストニアアルカロイドを母骨格とする高度に縮環した二量体型天然物ビプレイオフィリンの合成研究に取り組んだ。これまで申請者らは、鉄フタロシアニンを用いたインドールの酸素酸化による触媒的二量化反応を開発している。独自に開発した本酸素酸化を、インドールとカテコールとのヘテロカップリングに応用し、ビプレイオフィリンの部分骨格の構築に成功した。酸素を利用した本条件は、高い化学選択的を有しており、合成終盤での酸化的カップリングによるビプレイオフィリンの収束的全合成の達成が期待される。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度確立したカチオン性金触媒によるオートタンデム触媒反応を活用し、グアニジンを有する多環性アルカロイド、デヒドロバツェラジンC のラセミ合成および不斉合成の合成経路を確立した。さらに、確立した合成経路の多様性合成への有用性を立証すべく側鎖の異なるバツェラジンE の合成研究に取り組み、側鎖導入とグアニジンを含む３環性主骨格を合成に成功した。さらに二量体型天然物ビプレイオフィリンの合成研究においては、独自に開発した鉄触媒によるアミンの酸素酸化反応を応用し、インドールとカテコール誘導体とのヘテロカップリングに成功した。
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| Strategy for Future Research Activity |
1)タンデム触媒反応を基軸とする多環性含窒素の迅速合成においては、本年度確立したデヒドロバツェラジンCの不斉全合成を基盤とし、その類縁体化合物であるバツェラジンEの不斉全合成を達成する。これにより、オートタンデム触媒を用いた本合成経路の多様性合成としての有用性を実証する。また、2)生体触媒を模倣した高活性酸化触媒を基軸とする二量体型天然物の収束的合成において、本年度取り組んだトリプトファン誘導体の酸化的二量化を経るメリナシディンIVの全合成研究を継続して実施する。さらに、本年度確立したインドールとカテコール誘導体の酸素酸化を経る新規ヘテロカップリング反応を応用し、モノテルペンインドール由来二量体型生物活性天然物、ビプレイオフィリンの収束的全合成を達成する。
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| Causes of Carryover |
二量体型アルカロイドの合成研究において、今年度は反応開発に留まってしまったため、天然物合成への応用研究に使用する予定であった大量の有機溶媒や試薬、シリカゲルなどの消耗品の購入がおさえられた。
次年度は、天然物合成へ向けた研究を行うため、繰り越した予算は試薬や消耗品などに充てる予定である。
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Research Products
(29 results)
