2019 Fiscal Year Annual Research Report
Enantioselective total syntheses of bioactive natural products with tetrasubstituted carbon(s) using highly reactive carbon species
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17K08208
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
吉村 智之 金沢大学, 薬学系, 准教授 (20432320)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 有機合成化学 / 不斉合成 / 天然物合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)Gonytolide A の全合成研究:ビスフェニルアニオンに対するアルデヒドの付加による合成ルートを検討するため、キラルアルデヒドの合成を前年度に引き続き検討した。gamma-butyrolactone から5工程を経て 3-(1',3'-dioxolan-2'-yl)propanal を合成した。これに対し,gamma-butyrolactone から誘導したリン酸エステルとのエモンズ反応を行い Z 選択的に alpha,beta-不飽和ラクトンを合成した。次いで、diisobutylaluminum hydride を用いてラクトンをヒドロキシアルデヒドへと還元後、1級水酸基のシリル化と続くアルデヒドの還元でアリルアルコールとした。このアリルアルコールに対し、香月-Sharpless 不斉エポキシ化を行い光学活性なエポキシアルコールとした後、水酸基の保護、脱保護を繰り返すことでカップリングの前駆体となるアルデヒドの合成を完了した。このアルデヒドと、o-メトキシメトキシブロモベンゼンを用いてモデル反応を検討した。n-BuLi でフェニルアニオンを発生させた後、アルデヒドとの反応を行ったが、所望の化合物は得られず複雑な混合物を与えるのみであった。 2)o-キノンメチドを用いるクロマン骨格法の開発:2-hydroxymethyl-3-methoxy-5-methylphenol とシリルエノールエーテル誘導体を用いて種々のルイス酸存在下、反応を検討した。しかし、いずれの条件でも反応は複雑化し、所望のクロマン骨格は得られなかった。また、アリルシランを用いて反応を行った場合、中間体のカチオンが非常に安定なため、過剰反応が進行し、環化体から開環反応が進行した化合物が得られることが分かった。
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