2018 Fiscal Year Research-status Report
イソベンゾフランの新規発生法を活用する生物活性天然物合成
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17K08215
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中村 精一 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (90261320)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | モルヒネ / 形式合成 / ハスバナンアルカロイド / フタラン / 酸化/付加環化連続反応 / 酸素架橋環 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、ラセミ体でのモルヒネの形式合成を達成しているが、その工程数には改善の余地を残していた。そこで、今年度は合成ルートの見直しを行った。鍵反応の基質調製に必要としていた9工程は、Heck反応と1,4-付加反応を連続反応化することなどで5ポット7工程に減らすことができた。また、松尾-向山試薬による二重結合の導入、脱メチル化を伴う含酸素5員環形成などを経ることで、より標的化合物に近いRiceの中間体が得られることを見出し、さらに2工程を短縮することが可能であった。現在、反応と形式全合成で2報の論文を執筆中である。 並行して、ハスバナンアルカロイドの合成に着手した。文献既知の臭化物を出発原料としてHeck反応、Baylis-Hillman反応など7工程を行い、エチルエステルが置換した1,1-二置換アルケン部を持つフタラン誘導体を合成した。この化合物の酸化/付加環化連続反応では2つの四置換炭素が一挙に構築できることになる。実際に行ってみたところ、endo異性体2つを混合物として良好な収率で得ることができた。分離した主生成物のエステルを加水分解した後、Curtius転位を行うことで、減炭して窒素が置換した四置換炭素を構築することに成功した。得られた環状カルバマートを塩酸処理すると、加水分解と同時に酸素架橋環の位置選択的な開環反応も起こり、ベンジル位にヒドロキシ基が置換した化合物が得られることが明らかとなった。今後は全合成に向けて変換を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モルヒネの形式合成を実現し、ハスバナンアルカロイドについても骨格合成のめどがついたから。
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Strategy for Future Research Activity |
残る標的化合物の効率的な全合成を目指し、研究を推進する。
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