2017 Fiscal Year Research-status Report
光学活性2-ピリドンを共役酸・塩基触媒に用いた新規カスケード反応の開発と応用
Project/Area Number |
17K08219
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
山田 健 神奈川大学, 工学部, 助教 (00608367)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 2-ピリドン / 有機分子触媒 / ニトリリウムカチオン / カスケード反応 / 全合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
2-ピリドンは、ジエンに共役した環状アミド構造を有し、NHは、カルボニル酸素と水素結合を形成し、C=Oは、水素結合受容体として作用する。研究代表者らは、2-ピリドンを共役ブレンステッド酸・塩基触媒として利用することを独自に発想し、これまでに、3,5,6-トリフルオロ-2-ピリドンがアルデヒドとイソシアニド、水を用いたPasserini型三成分連結反応を触媒し、効率的にα-ヒドロキシアミド体を与えることを見出している。本研究期間中では、本反応の立体選択性を制御する光学活性2-ピリドンの創出、ならびに、本反応の中間体であるニトリリウムカチオンの分子内求核性官能基による捕捉を計画した。 初年度は、光学活性ピリドン型触媒の設計と合成に取り組んだ。まず、比較的調製容易な二環性2-アミノピリジン触媒を設計・合成した。しかしながら、本化合物群は反応性が乏しく、60℃に加熱しても10%未満の収率であった。そこで、反応性を指標にした2-ピリドンの構造・触媒活性相関を調べることとした。3位、4位、5位にそれぞれ、電子吸引基、電子供与基を有する2-ピリドンを調製し、その触媒活性を評価した。その結果、5位に電子供与基を導入した2-ピリドンが最も高い触媒活性を示すことが分かった。現在、さらなる構造・触媒活性相関を調査しているところである。 また、3,5,6-トリフルオロ-2-ピリドンを触媒に用いて、3位にイソシアノエチル基を有するインド-ルとピバルアルデヒドの付加反応を検討した。その結果、ベンゼン中0℃で撹拌した後、水素化ホウ素ナトリウムで反応を停止させることで、20%と低収率ではあるが、ニトリリウムカチオン中間体をインドールの3位で補足したスピロ体が得られることを見いだした。今後、触媒を含む反応条件を精査し、収率の向上に目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者は、2017年度4月より、所属研究機関を異動している。異動に係る雑務、新しい所属機関の新規業務のため、研究活動に当てる時間が当初の予定よりも減少した。そのため、研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2-ピリドンに不斉環境を導入すると反応性が低下するなど課題があった。そこで、新規触媒の開発を目指し、2-ピリドンの構造・触媒活性相関の調査に取り組む。本知見を基に光学活性新規2-ピリドン型触媒の開発に取り組む。このように開発する新規触媒は、ニトリリウムカチオン中間体の分子内求核性官能基による捕捉の際も有効に働くと期待される。
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Causes of Carryover |
おおよそ計画通り、初年度の助成額を使用した。 初年度の残額2288円では、必要な物品の購入には不足しているため、次年度に合わせて使用することにした。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Synthesis and evaluation of antibacterial activity of bottromycins2018
Author(s)
Takeshi Yamada, Miu Yagita, Yutaka Kobayashi, Goh Sennari, Hiroyuki Shimamura, Hidehito Matsui, Yuki Horimatsu, Hideaki Hanaki, Tomoyasu Hirose, Satoshi Omura, Toshiaki Sunazuka
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Journal Title
Journal of Organic Chemistry
Volume: 83
Pages: inpress
DOI
Peer Reviewed
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