2017 Fiscal Year Research-status Report
ヘテロ原子を有する芳香族化合物類の革新的なメタルフリー酸化的結合形成
Project/Area Number |
17K08230
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
森本 功治 立命館大学, 薬学部, 助教 (10543952)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ヘテロ原子 / 芳香族化合物 / ヨウ素 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘテロ原子を有する芳香族化合物の酸化による結合形成反応は合成化学的また生合成機構的にも、極めて重要な反応である。最近我々の研究室では、3価の超原子価ヨウ素化合物を用いた芳香族化合物類の酸化的クロスカップリング反応を見出した。最近では、フェノール類やアニリン類の触媒的クロスカップリング法を達成している。そこで本触媒的酸化法の更なる発展を目指し、フェノール類及びアニリン類といったヘテロ原子を有する芳香族化合物の結合形成反応による、新規骨格形成反応の展開を行った。 芳香環上にOH基を有するフェノールを含むビアリール化合物は生物活性天然物などの有用物質に見られる部分骨格で、その合成法は重要な研究課題である。本年は研究代表者はヘテロ原子を有する芳香族化合物の有機触媒を用いたカップリング法による新規結合形成反応の開発を目的とする。研究代表者はフェノール類の酸化的カップリング反応のヨウ素反応剤の触媒化を検討し、最近フェノール類と芳香族化合物との分子間クロスカップリング反応が、効率的に進行することを明らかとした。有機金属触媒を用いても全く達成されていなかった、フェノール類と芳香族化合物との触媒的クロスカップリング反応にも成功した(Angew. Chem. Int. Ed. 2016, 55, 3652.)。そこで本反応を応用し、アニリン類の新規結合形成反応の開発を行った(Synlett,2017,28, 2941-2945)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では研究代表者はヘテロ原子を有する芳香族化合物の有機触媒を用いたカップリング法による新規結合形成反応の開発を目的としている。計画通り平成29年度はフェノール類やアニリン類の新規触媒的結合形成反応と骨格形成反応の開発を行えた。今後はすでに研究代表者が有するヨウ素触媒の修飾の知見を併せて利用することにより、反応性の制御並びに生成物の選択性といったコントロールを行い本研究の達成を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
ヘテロ原子を有する芳香族化合物の酸化による結合形成反応は合成化学的また生合成機構的にも、極めて重要な反応である。最近我々の研究室では、3価の超原子価ヨウ素化合物を用いた芳香族化合物類の酸化的クロスカップリング反応を見出した。最近では、フェノール類やアニリン類の触媒的クロスカップリング法を達成している。そこで本触媒的酸化法の更なる発展を目指し、フェノール類及びアニリン類といったヘテロ原子を有する芳香族化合物の結合形成反応の展開をとして生物活性天然物合成並びに不斉反応への応用を検討する。また本研究においては触媒として用いるヨウ素反応剤の修飾、設計を検討し、本研究を完遂する。本手法の確立は、現在汎用されている遷移金属を用いたクロスカップリング反応に代わるものになりうると期待できる。
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Causes of Carryover |
本年度に前倒し請求を行ったが、研究が順調に進行し、本年度の試薬等の購入には不要と考えたため来年度に繰り越した。
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Research Products
(12 results)