2019 Fiscal Year Annual Research Report
Application of the strategy for nucleic acid delivery aimed at remote control of intracellular dynamics to the therapy
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17K08238
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
鵜川 真実 摂南大学, 薬学部, 助教 (50735511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 信至 摂南大学, 薬学部, 教授 (80388644)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 核酸デリバリー / 膜透過ペプチド / プラスミドDNA |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、ドキソルビシン処置下においてオリゴアルギニン固定化高分子プラスミドDNAの導入を行うと、がん細胞においてプラスミドDNAにコードされた遺伝子の発現が向上したことが示された。一方、腸粘膜モデルとして用いられるCaco-2細胞においてオリゴアルギニン固定化高分子によって導入したプラスミドDNAによる遺伝子発現が起こらないという問題があり、動物の粘膜への適用が難しいことが示唆された。そこで、本年度は目的疾患をがんに絞り、in vivoの検討を行うこととした。 健常マウスに移植可能ながん細胞であるColon26細胞を用い、これまで併用による遺伝子導入促進効果がみられていたドキソルビシンの他に、パクリタキセルおよびデキサメタゾンについても併用効果が確認された。 Colon26細胞を用いて腫瘍を形成させたマウスに対して併用薬剤およびpDNA、高分子を投与することにより、併用薬の遺伝子発現への影響の評価を試みた。その結果、腫瘍においてはpDNAと高分子のみを投与した群において遺伝子発現がほとんど起こらず、併用薬による遺伝子発現活性上昇も観察されなかった。併用薬はオリゴアルギニン固定化高分子の本来の機能である細胞内取り込み能もしくは取り込まれた後の過程を促進するものと考えられるため、細胞内取り込み自体が十分でない系においては、別のアプローチの併用が必要であることが示唆された。 以上の結果より、本研究のコンセプトである細胞内動態のリモート制御は、in vitroのがん細胞においては一定の成功を収めたと考えられる。一方、助成期間終了後も、in vivoや導入能の低い細胞に対する製剤的アプローチにより遺伝子導入効率の改善を試み、この成否が明らかとなった時点でこれまでの成果も併せて論文投稿を行う予定である。
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