2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on non-invasive cutaneous vaccination using ultrasound as physical stimulus
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17K08246
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
上田 秀雄 城西大学, 薬学部, 教授 (50326998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 聡一郎 城西大学, 薬学部, 准教授 (30433650)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 皮膚免疫 / ランゲルハンス細胞 / 物理刺激 / 超音波 / langerin |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度までの検討において、ラットにおいて物理的な経皮薬物吸収促進法は皮膚免疫細胞の一つであるランゲルハンス細胞(LC)を活性化し、その活性化の程度を超音波周波数や強度および適用時間で制御できる可能性があることを示唆した。 2020年度ではまず、我々は超音波照射によってLCやLC周囲の細胞からサイトカインが放出されてLCが活性化されると仮説を立てて検討した。周波数20 kHz条件下で強度が異なる超音波を適用し、mRNAレベルでの表皮中サイトカイン発現量を評価した。超音波照射後1時間のIL-1αおよびTNF-α発現レベルは強度依存的に増加し、これらサイトカイン発現レベルの増大と超音波強度依存的なlangerin発現の傾向が一致することから、両者が密接に関係していると推察された。 2つ目の検討として、経皮免疫研究で良く用いられるBALB-cマウスにおいてもラットと同様の物理的刺激によるLC活性化が認められるのかを検討した。BALB-cマウスを超音波照射、マイクロニードルおよびテープストリッピング処理したとき、ラットと同様のLC活性化が認められ、そのランクオーダーも同じだった。さらにBALB-cマウスを用いてオボアルブミン(OVA)をモデル抗原に用いた経皮免疫実験を行った。3週間まで1週間おきに皮下あるいは皮内へのOVA投与と超音波照射を繰り返し、4週間まで血中IgG量を測定した。皮下および皮内投与単独条件に比べて、20 kHz, 0.332 W/cm2 超音波の10 min照射を併用したときの血中Ig G量は増加し、特にOVAを皮内に注射したときの方が抗体産生に対する超音波処理の影響は大きかった。 補助事業期間全体の検討結果を通して、超音波による物理的刺激は表皮内のLCの活性化を惹起し、皮内投与したOVAに対する特異的抗体産生を亢進させる可能性があることを示唆した。
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Research Products
(3 results)