2019 Fiscal Year Annual Research Report
Combined use of deep learning and CAE simulation for design and optimization of pharmaceutical products
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17K08252
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
高山 幸三 城西大学, 薬学部, 招聘教授 (00130758)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 深層学習 / シミュレーション / 残留応力 / スパースモデリング / エラスティックネット / 重要品質特性 / 錠剤形状 / X線CT |
Outline of Annual Research Achievements |
粉体の圧密により製造される錠剤について,錠剤内に残留する主応力及び相当応力を力学モデルを組み込んだ有限要素法によりシミュレーションを実施した。その結果,残留応力の強度は,乳糖,コーンスターチ,結晶セルロースの添加剤の成分比により,また分布状態は錠剤形状により強く影響されることを見いだした。処方と形状の異なる30種類の錠剤を作製し,残留応力を説明変数とする重要品質特性(CQA)の予測を試みた。CQAとして錠剤硬度と崩壊時間を選択した。残留応力はシミュレーションにより推算されるため,説明変数は膨大な数となる。このようなデータを効率よく解析するために,深層学習とスパースモデリングの適用を試みた。深層学習を用いると良好な予測結果が得られたが,予測の再現性には乏しく予測に寄与する残留応力部位の同定には至らなかった。これに対し,スパースモデリングよりエラスティックネット回帰を適用したところ,深層学習に匹敵する高精度な予測が可能となり,予測に寄与する残留応力部位を同定することができた。平錠では,重要な応力部位が錠剤内に一様に分布したのに対し,錠剤表面が凸状にカーブしたR錠では,重要部位が臼壁近傍や上杵との境界付近に集中した。この傾向は錠剤表面の曲率が強くなるほど顕著になった。これより残留応力の強度は処方に,また分布状態は錠剤形状に依存して大きく変化し,このことが錠剤のCQAに多大な影響を及ぼすことを明らかにした。シミュレーション結果の実験的検証を目的として,X線コンピュータトモグラフ(XCT)による錠剤内密度の測定を行った。XCT画像より、平錠の内部密度は一様であったのに対し,R錠では臼壁部の密度が高値を,中央部が低値を示した。XCTの結果は残留応力のシミュレーションと概ね一致することから,力学シミュレーションの結果にスパースモデリングを適用することの有用性を検証できたと考えられる。
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Research Products
(7 results)