2019 Fiscal Year Annual Research Report
A novel downstream target of ALK1 signaling pathway in angiogenesis
Project/Area Number |
17K08298
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
久光 隆 昭和大学, 教養部, 講師 (50327946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 裕介 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (20562333) [Withdrawn]
中川 修 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (40283593) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 血管新生 / 内皮細胞 / ALK1受容体 / SGK1 |
Outline of Annual Research Achievements |
内皮細胞のBMP9・ALK1シグナル 伝達系は血管新生の初期過程に必須である。しかし、BMP9・ALK1シグナルがどのようにして血管形成に関わるのか、その下流制御因子などシグナル経路の分子機構 は不明のままである。申請者らは、BMP9・ALK1シグナルにより発現制御を受ける下流因子を探索し、候補遺伝子としてSGK1を見いだした。そこで、SGK1遺伝子の発現がBMP9・ALK1シグナルによってダイレクトに制御されるか検討した。BMP9・ALK1シグナルが活性化すると転写因子のSMADがリン酸化され核内のBMP応答配列に結合し、ターゲット遺伝子の発現を調節することが知られている。申請者らは、SGK1遺伝子の上流にBMP応答配列と相同性の高い部位を見いだしていたので、その推定領域が実際にBMP9応答性があるか、レポーターアッセイを行った。野生型レポーターとしてその推定領域を含む4kbの配列とルシフェラーゼ遺伝子を融合したコンストラクトを作製した。このコンストラクトを導入した培養内皮細胞を用いて検討した結果、BMP9刺激で野生型レポーター活性は上昇し、推定領域を欠失させた変異レポーターを用いた場合にはレポーター活性は消失した。このことは、その領域が実際にBMP9に応答してSGK1の発現調節に寄与していることを示唆する。同様の結果は、マウス胎仔を用いたレポーターアッセイによっても得られたが、その領域では十分でないことも示唆された。今後は、予想される他の発現制御因子、発現制御領域を同定し、実際に胎仔発生段階の内皮細胞におけるSGK1の発現上昇がどのような機構を介して血管新生に寄与するかを明らかにすることが重要であると考えられる。この様な理解が進めば、遺伝性血管疾患、癌および虚血性疾患の治療戦略に有益な情報を与えることが期待される。
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