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2018 Fiscal Year Research-status Report

免疫抑制機能に相関して制御性T細胞に発現するFCRL3膜受容体の役割

Research Project

Project/Area Number 17K08300
Research InstitutionNational Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition

Principal Investigator

永田 諭志  国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 創薬デザイン研究センター, 主任研究員 (40246682)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
KeywordsFCRL3 / 制御性T細胞
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、FCRL3の制御性T細胞における特異的発現と、制御性T細胞の免疫抑制機能との関連を明らかにするために、FCRL3依存性の細胞内シグナルの解析を行っている。世界での様々な患者を対象とした調査より、FCRL3遺伝子の一塩基多型は、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患と強い相関が見られることがわかっている。制御性T細胞は、自己免疫疾患や炎症性疾患などを引き起こす過剰な免疫応答を抑制する役割を担っており、FCRL3の変異が、抑制性T細胞の調節異常を通して、様々な疾病を誘発していることが強く示唆されている。従って、本研究の成果は、長期的にはFCRL3シグナル経路を標的とした新たな免疫制御医薬の開発につながると考えられる。本年度の前半まで、過去に我々が作製した抗FCRL3モノクローナル抗体により細胞刺激を行い、FCRL3依存性の細胞内シグナルを、FCRL3細胞内ドメインのチロシン残基リン酸化を測定し検出することを試みてきた。しかしながら、リン酸化部位の変異体を作製を試みたものの、いずれの部位においても、リン酸化が検出されていない。本年度の後半になり、我々のグループを含む他の研究から、我々の使用していた抗体の認識するエピトープに問題があり、他のエピトープに対するより高活性な抗FCRL3抗体が必要である可能性が示唆された。そこで新規の抗FCRL3抗体の作製を行いつつある。また必要量のヒト末梢血単核球をアーカイブしたので、FCRL3刺激による細胞刺激を、リン酸化以外の細胞フェノタイプの誘導として検出する研究にも着手した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初は、我々が過去に作製したモノクローナル抗体を使用して、FCRL3依存性の細胞内シグナルを検出する計画であったが、近年の我々の共同研究を含む他の研究の進捗により、使用している抗体のエピトープが刺激のために最適でないことが示唆された。そのため、これに対応して、別のエピトープを認識し、より効率よく細胞内シグナルを誘導可能な、新しい抗FCRL3抗体を取得中である。またFCRL3の細胞内シグナルをFCRL3の細胞内ドメインのリン酸化として検出する予定であったが、リン酸化ダイナミクスの進行が早いため、シグナルを他のフェノタイプ変化として、検出する系を検討中である。このように当初予期していなかった実験状況にも、適切に対応し、当初の目的に向かって本研究を進行させており、本研究はおおむね順調に進展していると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

本研究の申請時点に比べ、様々な点でFCRL3に関する研究に進捗がみられ、状況が変化しつつある。変化に対応しつつ、長期的にはFCRL3シグナル経路を標的とした新たな免疫制御医薬の開発につながる方向に研究を進めるため、今後は次の2点を重点的に研究する予定である。(1)新しいエピトープを認識する抗FCRL3機能抗体の作製を行う。(2)制御性T細胞に限定せずFCRL3の細胞内シグナルを広く検出するモデル系を検討する。

Causes of Carryover

今年度の支出は予定通り行った。740円のわずかの差額が生じたが、これは次年度に繰り越して使用する。

  • Research Products

    (5 results)

All 2019 2018

All Journal Article (5 results) (of which Int'l Joint Research: 4 results,  Peer Reviewed: 4 results)

  • [Journal Article] Anti-BCMA immunotoxins produce durable complete remissions in two mouse myeloma models2019

    • Author(s)
      Shancer Zoe、Liu Xiu-fen、Nagata Satoshi、Zhou Qi、Bera Tapan K.、Pastan Ira
    • Journal Title

      Proceedings of the National Academy of Sciences

      Volume: 116 Pages: 4592~4598

    • DOI

      10.1073/pnas.1821733116

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research
  • [Journal Article] Preclinical development of anti-BCMA immunotoxins targeting multiple myeloma2018

    • Author(s)
      Shancer Zoe、Williams Matthew、Igelman Austin、Nagata Satoshi、Ise Tomoko、Pastan Ira、Bera Tapan K
    • Journal Title

      Antibody Therapeutics

      Volume: 1 Pages: 19~25

    • DOI

      10.1093/abt/tby004

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research
  • [Journal Article] Clinical significance of MUC13 in pancreatic ductal adenocarcinoma2018

    • Author(s)
      Khan Sheema、Zafar Nadeem、Khan Shabia S.、Setua Saini、Behrman Stephen W.、Stiles Zachary E.、Yallapu Murali M.、Sahay Peeyush、Ghimire Hemendra、Ise Tomoko、Nagata Satoshi、Wang Lei、Wan Jim Y.、Pradhan Prabhakar、Jaggi Meena、Chauhan Subhash C.
    • Journal Title

      HPB

      Volume: 20 Pages: 563~572

    • DOI

      10.1016/j.hpb.2017.12.003

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research
  • [Journal Article] Longitudinal autoantibody responses against tumor-associated antigens decrease in breast cancer patients according to treatment modality2018

    • Author(s)
      Evans Rick L.、Pottala James V.、Nagata Satoshi、Egland Kristi A.
    • Journal Title

      BMC Cancer

      Volume: 18 Pages: 119

    • DOI

      10.1186/s12885-018-4022-5

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research
  • [Journal Article] 標的に抗体が結合できる部位はいくつあるか?-効率よく新しい機能抗体を探索するためのエピトープ均質化抗体パネル2018

    • Author(s)
      永田諭志、 伊勢知子、 鎌田春彦
    • Journal Title

      実験医学

      Volume: 36 Pages: 1867-1874

URL: 

Published: 2019-12-27  

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