2020 Fiscal Year Annual Research Report
The roles of Brorin in the regulation of feeding behavior amd energy metabolism
Project/Area Number |
17K08307
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三宅 歩 京都大学, 薬学研究科, 講師 (40346044)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 摂食制御 / 摂食促進ペプチド / 摂食抑制ペプチド / エネルギー代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
Brorin遺伝子欠損マウスでは通常食飼育時における体重が野生型に比べ有意に増加しており、白色脂肪組織重量が増加していたことより、白色脂肪組織におけるBrorinの発現量について検討した。8週齢の野生型マウスの白色脂肪組織を含む各組織(視床下部、胸腺、脾臓、心臓、肺、肝臓、腎臓、胃、小腸、大腸、精巣上体白色脂肪組織、腸間膜白色脂肪組織、皮下白色脂肪組織、肩甲骨間褐色脂肪組織)におけるBrorinの発現量を逆転写qPCR法により調べたところ、Brorinは視床下部において高発現していた。さらに白色脂肪組織と脾臓において、Brorinの低レベルの発現が検出された。 白色脂肪組織においてBrorinの低レベルの発現が検出されたことより、Brorinがエネルギー代謝制御に関与している可能性が示された。そこで、Brorin遺伝子欠損マウスの腸間膜白色脂肪組織におけるLeptinの発現量を逆転写qPCR法により解析した。Brorin遺伝子欠損マウスの腸間膜白色脂肪組織におけるLeptinの発現量は野生型マウスと比較して有意に増加していた。 これまでに、摂食量の増加が認められたBrorin遺伝子欠損マウスでは、摂食促進ペプチドの発現量が増加していたが、摂食抑制ペプチドであるPOMCの発現量も増加していることを明らかにしている。今回、Brorin遺伝子欠損マウスの白色脂肪組織で発現量の増加が認められたLeptinは代謝調節遺伝子であるとともに摂食抑制因子としても働くことが知られている。今後のさらなる解析により、Brorinによる摂食制御因子の調節機構が明らかになれば、摂食障害の原因解明および治療法の開発につながると期待できる。
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