2018 Fiscal Year Research-status Report
Search for new ergosterol binding amphiphilic compounds
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17K08342
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
中島 琢自 北里大学, 北里生命科学研究所, 特任准教授 (40526216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 厚子 北里大学, 感染制御科学府, 准教授 (20300759)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エルゴステロール / 放線菌 / クロマトグラフィー |
Outline of Annual Research Achievements |
エルゴステロール修飾シリカゲルを用いて微生物培養液からエルゴステロールに結合する天然物を探索した。放線菌の培養液抽出物(Streptomyces sp. K16-0477株)から新規物質ジピリマイシンBを発見した。ジピリマイシンBの精製は培養液を酢酸エチルで抽出した後、エルゴステロール修飾シリカゲルで精製を行うことで、ほぼ完了した。よって、エルゴステロール修飾シリカゲルに結合する化合物は本樹脂を用いることで容易に精製することができる。ジピリマイシンBの類縁物質としてジピリマイシンAも見いだされたが、エルゴステロール修飾シリカゲルには結合しなかった。ジピリマイシンAはカルボン酸を有し、ジピリマイシンBはカルボン酸の代わりにアミドを有しており、エルゴステロール修飾シリカゲルへの結合はアミドが重要であることが示唆された。 現在、800サンプルを処理し、29化合物を推定新規化合物として、精製・構造決定を進めている。そのなかで、Streptomyces sp. K16-0477株が生産する化合物で部分構造にテトラミン酸とトリメチルアミンを有する新規物質が得られている。スケールアップして最終的な構造を確認している。 また、LC-MSで同定できた既知物質のプロファイルを解析した結果、Si-ES樹脂と結合する化合物はポリエンだけでなく、窒素を含む化合物がよく検出され、全体の8割を占めていた。Si-ES樹脂と結合する化合物のCLog Pは0から2付近に塊を見せ、両親媒性物質とよく親和性を有していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エルゴステロール修飾シリカゲルを用いたスクリーニングで新規物質が見いだされており、さらに、本樹脂は富士シリシア化学より販売することになった。 本樹脂と結合する化合物は両親媒性物質は得られているが抗真菌活性が見られない化合物もある。今後、シリカゲルに結合したエルゴステロールの修飾率やエンドキャッピングの検討が必要になってくる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、Streptomyces sp. K16-0477株が生産する新規物質の構造決定および推定新規物質の精製・構造決定、取得できた新規物質の抗真菌活性を始め、様々な生物活性評価系での測定を行う。
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Research Products
(7 results)