2017 Fiscal Year Research-status Report
Study on bioactive diterpenoids from medicinal plants of Thymelaeaceae and Euphorbiaceae families
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17K08348
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
李 巍 東邦大学, 薬学部, 准教授 (90328633)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | トウダイグサ科 / 甘遂 / ジンチョウゲ科 / 瑞香狼毒 / ジテルペノイド / 抗HIV活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗HIV薬の多剤併用療法はHIV増殖を抑制するが根絶することはできず、新規抗HIV薬創製が社会から求められている。トウダイグサ科およびジンチョウゲ科植物由来の抽出物ライブラリーを構築し、抗HIV活性を評価した結果、トウダイグサ科植物甘遂Euphorbia kansui抽出物は強い抗HIV活性を示した。そこで、甘遂抽出物をBioassay-guided Fractionation法により分画し、強力な抗HIV活性(IC50 0.53~420ng/mL)を示したインゲナン型ジテルペノイド(1-5)を単離した。さらに活性画分に対して弱アルカリを用いた加水分解反応を行い、得られた脱アシル化ジテルペノイド20-deoxyingenol (9)およびingenol (10)を出発物質として、14種の化学誘導体を合成した。その中、3-(2-naphthoyl)ingenol (23)は最も強い抗HIV活性(IC50 1.3nM)を示した一方、強力なHIV-1潜伏感染されたU1細胞の活性化作用(EC50 2.4nM)も示した。 一方、ジンチョウゲ科植物瑞香狼毒Stellera chamaejasmeより単離したダフナン型ジテルペノイドgnidimacrin(GM)は強力な抗HIV活性(EC90 0.41nM)を示す新規抗HIV根治薬創製のリード化合物である。GMの重要な官能基である3位および18位-ベンゾイル基、4位、5位、20位および2'位-水酸基、15(16)位二重結合に対して、弱アルカリ条件下の脱アシル化反応、有機酸無水物を利用したエステル化反応、Pd/C還元およびOsO4酸化反応を行った。GM誘導体の抗HIV活性を評価し、構造活性相関を解析した結果、3位ベンゾイル基は抗HIV活性発現に必要であること、および2'位-水酸基のエステル化は抗HIV活性を増加させることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたトウダイグサ科およびジンチョウゲ科植物由来の抽出物ライブラリーの構築および生物活性のスクリーニングを完了した。更に、優れた抗HIV活性を示すトウダイグサ科植物甘遂の抽出物より、強い抗HIV活性を示すジテルペノイド成分を同定し、さらに化学誘導体の合成により、優れた抗HIV活性および強力な潜伏HIVの活性化作用を示す新規化合物3-(2-naphthoyl)ingenolを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、トウダイグサ科およびジンチョウゲ科植物由来の抽出物ライブラリーの中に、強い抗HIV活性を示す抽出物について、引き続き活性成分の単離、構造決定および生物活性の評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
試薬類消耗品の使用量に若干の変更があったため、次年度使用額が生じた。 次年度に引き続き試薬の購入に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)