2018 Fiscal Year Research-status Report
Study on bioactive diterpenoids from medicinal plants of Thymelaeaceae and Euphorbiaceae families
Project/Area Number |
17K08348
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
李 巍 東邦大学, 薬学部, 准教授 (90328633)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ジンチョウゲ / ミツマタ / HIV / ダフナン / ジテルペノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
抗HIV薬の多剤併用療法はHIV増殖を抑制するが根絶することはできず、新規抗HIV薬創製が社会から求められている。本年度では、2種のトウダイグサ科薬用植物について、新規抗HIV活性ジテルペノイドの探索を行った。 ジンチョウゲ(沈丁花、Daphne odora)は、中国伝統医学では瑞香と呼ばれる。東邦大学薬用植物園にて採取したジンチョウゲの枝および葉より得られたメタノール抽出物を各種カラムクロマトグラフィーおよび分取HPLCを用いて単離精製を行い、新規化合物6種を含む計7種のダフナン型ジテルペノイドを単離した。化学構造は各種スペクトル解析により決定した。ジンチョウゲに抗HIV化合物Gnidimacrinを含まれることを明らかになったとともに、新規化合物は高度に酸化された大環状構造を有しており、強い抗HIV活性を示した。 一方、ミツマタ(三椏、Edgeworthia chrysantha)は、中国伝統医学では結香と呼ばれる。中国湖南省にて採取したミツマタの花蕾より得られたメタノール抽出物を各種カラムクロマトグラフィーおよび分取HPLCを用いて単離精製を行い、5種の新規抗HIV活性daphnane型ジテルペノイドを単離した。化学構造は各種スペクトル解析により決定した。これら化合物は、cis-5-tetradecenoic acidがdaphnane骨格の9位、13位、14位水酸基とortho ester結合し、さらに1位と11位間で大環状構造を形成している特徴を有する。 これら化合物は今後抗HIV薬創製の新たなリード化合物として期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
優れた抗HIV活性を示すトウダイグサ科植物ジンチョウゲおよびミツマタの抽出物の詳細の化学成分研究により、強い抗HIV活性を示すジテルペノイド成分を見出した。これら化合物は今後抗HIV薬創製の新たなリード化合物として期待される。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後も、抗HIV活性を示すトウダイグサ科植物抽出物について、引き続き化学成分研究を行い、新規抗HIV活性ジテルペノイド成分の探索を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
試薬類消耗品の使用量に若干の変更があったため、次年度使用額が生じた。次年度も試薬の購入に使用する予定である。
|
Research Products
(8 results)