2017 Fiscal Year Research-status Report
A study of searching for immunostimulating natural products
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17K08349
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
金田 利夫 星薬科大学, 薬学部, 准教授 (70339521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ヌグロホ アルファリウス・エコ 星薬科大学, 薬学部, 特任助教 (40770029)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 天然物 / 免疫賦活物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
国民医療費の高騰と保健財源確保が危ぶまれる中、生薬/漢方薬を含むセルフメディケーションや免疫賦活作用を含む『予防医学』は今後益々重要視されるべき考え方である。天然物化学を含む生薬/漢方薬の分野でも、ガン予防や免疫賦活の概念は古くから取り入れられているが、その物質的・科学的根拠が乏しい。そこで、本研究では免疫賦活作用といった視点から抗ガン作用を持つ天然物を見出すことを目的とし、ガンの治療や予防に有効な天然物を見出すものである。 本研究課題では、2つの側面から免疫賦活作用を持つ天然物を探している。 1つ目は従来通りの免疫賦活物質の探索であり、予備的な一次評価としてT細胞の反応系として植物レクチンであるコンカナバリンA(ConA)によるマウスリンパ球の増殖反応を用い、この反応を増強する物質を探した。今年度は、主にインドールアルカロイドを含むLeuconotis griffithii, Tabernaemontana dichotoma, Tabernaemontana divaricata 等のエキスの各種画分を検討したが、特筆すべき活性は見出されていない。 また、2つ目のガン細胞の免疫回避機構の抑制物質の探索では、B16F10メラノーマ上に発現が報告されているPD-1Lが実際には発現していなっかったことから、計画の変更を余儀無くされている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究課題では、2つの側面から免疫賦活作用を持つ天然物を探している。 1つ目は従来通りの免疫賦活物質の探索であり、予備的な一次評価としてT細胞の反応系として植物レクチンであるコンカナバリンA(ConA)によるマウスリンパ球の増殖反応を用い、この反応を増強する物質を探している。現時点ではリンパ球の増殖反応を弱く促進する植物エキスの画分が見つかっているものの、活性物質の単離には至っていない。
また、2つ目のガン細胞の免疫回避機構の抑制物質の探索では、B16F10メラノーマを使用する予定であった。しかしながら、当研究室が保有するB16F10にはPD-1Lが発現していないことがRT-PCRによって確認された。したがって、新たな細胞株の入手、PD-1Lから類縁分子への変更、PD-1L発現の誘導法などの検討が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
当研究課題に関与する人員を増やすなどの方策は考慮中であるが、基本的な研究計画の変更はない。 PD-1のような免疫チェックポイントタンパクには、PD-1の他にCTLA-4、TIM-3、LAG-3、TIGIT等が知られている。一方、ガン細胞側に発現するリガンドとしては、PD-L1、-L2の他、B7ファミリーに属する膜タンパクであるB7-H3,B7-H4,B7-H5(VISTA)が報告されている。このうち、B7-H3やB7-H5を発現する腫瘍は予後不良との報告がある。 B16F10細胞にPD-1Lの発現が認められなかったことから、次のターゲットとしてB7-H3考慮中である。また、最近2本鎖DNAの切断とその修復過程でガン細胞上のPD-L1の発現上昇が認められるとの報告があることから、このような知見を参考に実験デザインを再考する。
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Causes of Carryover |
適切に使い切る物品が見当たらなかったことから\4744を残した。この残金は次年度の物品費に加えて適切に使用する予定である。
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