2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research of active molecules from natural resources on the anti-allergic activity via p38MAPK pathways
Project/Area Number |
17K08353
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
井藤 千裕 名城大学, 薬学部, 教授 (60193497)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 抗アレルギー効果 / Garcinia 属 / ビフェニル類 / ホンダワラ類 / フロロタンニン類 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)オトギリソウ科Garcinia属植物から単離したビフェニル類の抗アレルギー効果 オトギリソウ科G. schombrugkianaから単離した7種のビフェニル類について、抗原刺激したマスト細胞株RBL-2H3からのケミカルメディエーターの産生と放出について検討した。4種のビフェニル類は、ヒスタミン放出抑制効果は認められなかったが、β-hexosaminidase およびTNF-αの放出を容量依存的に抑制した。また、それらの内、2種のビフェニル類が活性酸素放出を抑制したが、COX2発現については抗原刺激のみの細胞と同程度の発現レベルであった。さらに、ビフェニル類1種が細胞内情報伝達分子であるリン酸化p65NFκBやp38MAPKの発現を抑制する傾向を示した。 2)暖海性ホンダワラ類から単離したフロロタンニン類の抗アレルギー効果 褐藻類の暖海性ホンダワラ類Sargassum carpophyllumの乾燥粉末から Folch 法に準じて抽出と分配を行い、得られた水溶性画分に対して酢酸エチルを用いて再度分配を行った。酢酸エチル層を回収し、減圧濃縮したものを分取 HPLC を用いて分離・精製し、3種のフロロタンニン類を単離・構造を決定した。これらの化合物は抗原刺激したマスト細胞株RBL-2H3細胞からβ-hexosaminidase およびTNF-αの放出を容量依存的に抑制した。また、COX2の発現も緩やかな低下傾向を示し、これらのフロロタンニン類の抗アレルギー効果が明らかになった。さらに、フロロタンニン類が影響を与える細胞内タンパク質を網羅的に解析するため、iTRAQ試薬で細胞内タンパク質を標識しLC-MSで解析すると、27種のタンパク質が有意に増加し、35種のタンパク質が有意に減少することが明らかになった。現在、クラスター解析やイムノブロットなどで標的分子探索を検討中である。
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