2017 Fiscal Year Research-status Report
不飽和脂肪酸の分子構造に基づく炎症収束脂質レゾルビン類の作用機序解析ツールの開発
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17K08360
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福田 隼 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (30434450)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | レゾルビン / 不飽和脂肪酸 / シクロプロパン / 標的タンパク質 / レゾルビンE2 / レゾルビンE3 / 安定等価体 / 炎症収束 |
Outline of Annual Research Achievements |
レゾルビン類は極めて強力な炎症収束性のω-3脂肪酸代謝物であり、炎症調節機能を担うことから新しい創薬リード化合物として期待されている。しかし、その構造不安定性のためバイオツールとしての利用は制限され、さらに創薬研究はほとんどされていない。申請者はこの問題を解決すべく、バイオツールのリード構造として活用可能なレゾルビン類の安定等価体の創製に成功しており、本研究ではこの安定等価体に基づき、創薬研究に向けて生理活性多価不飽和脂肪酸の分子構造に着目して化学的プローブを用いた炎症収束脂質レゾルビン類の作用機序解析ツールを開発することとした。 レゾルビンE2の安定等価体であるシクロプロパンを導入したレゾルビンE2(CP-RvE2)は以前に合成しており、そのときに調製したユニット2つと新たにビオチンを導入するためのユニットを調製できれば、18-ヒドロキシ-CP-RvE2誘導体を容易に合成できると考えた。 ビオチンを導入するためのユニットは研究計画に従って、順調に調製できつつあるが、当初予定していた保護基であるフタルイミド基が適切ではないことが分かった。そこで、フタルイミド基の代わりにアジド基を導入してリンカーを伸長する足場とすることとした。すなわち、CP-RvE2の18位水酸基からエーテル化により増炭して、その後にアジド基を導入することに成功した。この調製したリンカーユニットをCP-RvE2の合成方法と同様に他のユニットと連結すれば、18-プロピルアジド-CP-RvE2を合成できると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ユニットの調製は順調であることから、おおむね計画通りに進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
調製したユニットをCP-RvE2の合成方法と同様に他のユニットと連結すれば、18-プロピルアジド-CP-RvE2を合成できると考えている。
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Causes of Carryover |
北海道大学から長崎大学に異動して実験環境を整えるのに時間がかかったため。 物品費に充てる予定である。
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