2018 Fiscal Year Research-status Report
不飽和脂肪酸の分子構造に基づく炎症収束脂質レゾルビン類の作用機序解析ツールの開発
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17K08360
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福田 隼 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (30434450)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | レゾルビン / レゾルビンE2 / シクロプロパン / 標的タンパク / 分子プローブ / 炎症収束 |
Outline of Annual Research Achievements |
レゾルビンE2の安定等価体であるシクロプロパンを導入したレゾルビンE2(CP-RvE2)は以前に合成しており、そのときに調製したユニット2つと新たにビオチンを導入するためのユニットを調製できれば、18位側鎖をビオチン化したCP-RvE2誘導体を容易に合成できると考えた。 ビオチンを導入するためのユニットは研究計画に従って、順調に調製できつつあったが、当初予定していた保護基であるフタルイミド基が適切ではないことが分かった。そこで、フタルイミド基の代わりにアジド基を導入してリンカーを伸長する足場とすることとした。すなわち、CP-RvE2の18位水酸基からエーテル化により増炭して、その後にアジド基を導入し、アジド基を有するユニットの調製に成功した。 しかしながら、アジド基を有するユニットをそのまま用いて2つのユニットを連結すると、鍵反応であるWittig反応が収率よく進行しないことが判明した。そこで、Wittig反応の代わりに薗頭カップリングを用いてC8-C9の結合を構築することとした。以前に使用していた2つのユニットに関して、シクロプロパンユニットの水酸基をシリル基で保護されたアルキンに誘導し、エナールユニットはビニルヨウ素体に誘導した。アジド基を有するユニットはアジド基を後から導入できるようにアジド前駆体のシリルエーテルとした。 これら調製しなおしたユニットを2回の薗頭カップリングに付した後に還元することで期待通りにアジド体前駆体へと導いた。続くアジド化、脱保護により18-プロピルアジド-CP-RvE2の合成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分子プローブ(プロピルアジド-CP-RvE2)の合成は順調であることから、おおむね計画通りに進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
調製したユニットを18-プロピルアジド-CP-RvE2の合成方法と同様に他のユニットと連結すれば、他のプロピルアジド-CP-RvE2を合成できると考えている。
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Causes of Carryover |
予定していた生物活性試験が実施できなかったため。 物品費に充てる予定である。
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Research Products
(30 results)