2017 Fiscal Year Research-status Report
新規抗がん剤を目指した経口/点滴投与で有効なPCA-1阻害剤探索研究
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17K08378
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
田中 明人 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (30454789)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 創薬化学 / 前立腺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
シード化合物HUHS015は、大阪大学との共同研究で見出した世界初の低分子PCA-1阻害剤である。当該化合物は、前立腺由来細胞DU145を用いたxenograftモデルにおいて、有効性を示すことを明らかにしてきたが、その時の用量は32 mg/kg(皮下投与、連投)と、臨床を目指すには、活性強度に問題がある。現在、HUHS015の高い安全性を確保しながら(1ヶ月近い連投においても、肝・腎重量、GOP, GPT, BUN, creatinine濃度などで異常値が見られていない)、もう1ランクのin vivo活性の向上が望まれており、その達成を目指している。我々は、この目的に向け、AMED支援を受け、外部合成部隊等も活用し、まずは化合物の構造的なdiversity拡大を目指し、広範な誘導体展開を行ってきた。また、評価系についても従来のPCA-1阻害活性(酵素阻害活性)とDU145細胞の増殖抑制効果(細胞レベルの評価)に加え、S9mixを用いた肝臓での代謝を反映した系や、経口投与後1時間後の血中濃度など薬物動態面の評価系も新たにスクリーニングに組み込み、さらなる多角的な最適化研究を進めてきた。そして、今期にはHUHS015並のPCA-1阻害活性及びDU145細胞増殖抑制活性を有するシード候補化合物を複数見出すことに成功している。具体的にはピラゾール環4位ベンジル基を直結フェニル基への置換、4位及び5位に環を結んだ新母核の創出などである。これらの化合物群は、HUHS015と比較し、構造変換が進んでいるため、今後経口吸収性やin vivo活性などを明確にし、次リード候補化合物を選定し、目標達成に向け駒を進める計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ピラゾール環4位ベンジル基を直結フェニル基への置換したもの、4位及び5位に環を結んだ新母核の創出など、従来の母核構造と異なる有力阻害化合物群の創出に成功している。これらの化合物群は、HUHS015と比較し、構造変換が進んでいるため、体内動態などの面において、シード化合物HUHS015より優れたin vivo活性が期待されており、今後経口吸収性やin vivo活性などを明確にし、次リード候補化合物を選定し、目標達成に向け駒を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の現状に満足せず、更なる新規リード候補化合物創出を目指し、構造変革を進める。最終目標達成のために、十分なdiversityを有する自前誘導体群を創出し、経口吸収性や体内動態など総合的な創薬クライテリアを満足する化合物を複数用意し、最終的なxenograftモデル(連投を行うことにより、急性的な安全性も確認しながら)において最終選定を行う計画である。
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Causes of Carryover |
H29年度、合成を中心に行い、予算執行を意識的に抑制したため、次年度使用額が生じた。H30年度以降は、費用コストがかさむin vivo評価を中心に計画しているため、計画通り、それらの費用を次年度使用額とH30年度分として請求した助成金を併せて、予算執行する予定である。
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