2018 Fiscal Year Research-status Report
インフルエンザウイルスの耐性薬剤を判別可能とするコンパニオン診断薬の開発
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17K08380
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
大坪 忠宗 広島国際大学, 薬学部, 准教授 (30365879)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | シアリダーゼ / 蛍光プローブ / ライブイメージング / ノイラミニダーゼ / 固体結合プローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに合成したシアリダーゼプローブの臭素原子を足場として、薗頭カップリングを用いてポリエチレングリコール鎖を連結した alkyne ユニットを導入した誘導体の合成を検討した。 まず、従来型プローブの前駆体である (1S,2R)-1-((2R,3R,4S,6S)-3-acetamido-4-acetoxy-6-(2-(benzo[d]thiazol-2-yl)-4-bromophenoxy)-6-(methoxycarbonyl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)propane-1,2,3-triyl triacetate (1) をグラムスケールで合成し、リンカー導入のための条件検討に用いた。 一般的な薗頭カップリングの条件を用いて(1S,2R)-1-((2R,3R,4S,6S)-3-acetamido-4-acetoxy-6-(2-(benzo[d]thiazol-2-yl)-4-(3-(2-(2-(2-((tetrahydro-2H-pyran-2-yl)oxy)ethoxy)ethoxy)ethoxy)prop-1-yn-1-yl)phenoxy)-6-(methoxycarbonyl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)propane-1,2,3-triyl triacetate (3) を合成した。続いて、末端保護基 (THP) を酢酸で除去してアルコール体とし、続いてトシル体 (4) とした。さらに NaN3/DMF 条件でアジド体とした。合成した 5 をアミノ体 (6) として、樹脂導入ユニットを合成した。 末端にアミノ基或いは、カルボキシ基を有する樹脂にユニットの導入検討を行った。結果として、アミド型が最も確実に導入できることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
7~8月の相当期間、断水や物流の遅延等の諸問題が生じ、事実上研究遂行が困難であった。9月以降は徐々に状況が改善したので回復に努めたが、樹脂導入段階の条件検討に思った以上に時間を要した。以上により、リンカー長の検討や最終脱保護の検討など一部の条件検を行えなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、効率の良いポリエチレングリコール鎖の長さを延長した誘導体の合成を検討する。同時に、(2S,4S,5R,6R)-5-acetamido-2-(4-(3-(2-(2-(2-aminoethoxy)ethoxy)ethoxy)prop-1-yn-1-yl)-2-(benzo[d]thiazol-2-yl)phenoxy)-4-hydroxy-6-((1R,2R)-1,2,3-trihydroxypropyl)tetrahydro-2H-pyran-2-carboxylic acid (7) を樹脂上に直接導入して、最終段階における脱保護段階を省略できる合成法の検討を行う。また、黄緑系の蛍光色を有する (2S,4S,5R,6R)-5-acetamido-2-(5-(2-(2-(2-(2-aminoethoxy)ethoxy)ethoxy)ethoxy)-2-(benzo[d]thiazol-2-yl)phenoxy)-4-hydroxy-6-((1R,2R)-1,2,3-trihydroxypropyl)tetrahydro-2H-pyran-2-carboxylic acid (8) の合成も合わせて行い、樹脂へ 7, 8 を導入したものとノイラミニダーゼが反応するか調べる。
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Causes of Carryover |
本来、最も効率的に研究遂行7月~8月の相当期間、断水や物流問題により停滞を余儀なくされた。また、汎用真空ポンプや凍結乾燥用ポンプの故障が相次ぎ、新規購入せざるを得ない状態となった。さらに、書類作成用PCのOSセキュリティ問題のためのリプレース、とれに伴うアプリケーションライセンスの更新等の費用捻出が不可避となった。このため、実験スケールの縮小・高価試薬使用の回避・溶媒リサイクル等の効率化を実施した上で、一部消耗品の購入費・実験補助人件費・情報収集活動費の抑制を行い、2019年度予算と合わせての環境整備を行うため、計画的に繰り越しを行った。 2018年度の予定通り、真空ポンプおよびPCの備品設置に振り分ける予定である。
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[Presentation] シアリダーゼのマウス膵臓における活性分布とインスリン分泌における役割2018
Author(s)
藤田 優香, 南 彰, 白鳥 眞子, 金子 雪子, 澤谷 俊明, 榛葉 すみか, 関田 理沙, 大坪 忠宗, 池田 潔, 石川 智久, 鈴木 隆
Organizer
第36回日本糖質学会年会
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