2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of the tumor-selective necrosis inducers and anti-leukemia agents
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17K08383
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
國安 明彦 崇城大学, 薬学部, 教授 (90241348)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ネクローシス / 白血病細胞 / ペプチドミメティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者が見出したネクローシス誘導ペプチドを化学ツールとして活用し、新しい白血病治療薬の開発戦略を確立することを目的とし、初年度はネクローシス誘導ペプチドの標的分子の同定を、1)光アフィニティラベル法、および2)ペプチドアフィニティカラム法を用いて進めた。 1)光アフィニティラベルプローブを用いた検討:Tat-Ram13配列に含まれるフェニルアラニンを光感受性のベンゾイルフェニルアラニンに置換した光感受性ペプチドをFmoc法により合成した。固相合成の最後にFmocを脱保護した後、露出したアミノ基にLC-ビオチン含む光感受性Fmocアミノ酸修飾試薬を導入した光感受性ペプチドを調製し、白血病細胞株Jurkat-T を光ラベルした。ラベル分子をSDS-PAGEで分離後、HRP標識ストレプトアビジンで検出を行った。しかし、ラベルされた分子がほどんど観察されず、検出されたバンドも非結合コンロールプローブのそれと差がなかった。 2)ペプチドアフィニティカラムを用いた検討:Tat-Ram13ペプチドのN末端にCysを導入し、アガロールゲルに固定化したペプチドアフィニティカラムを調製した。同様に、変異ペプチドTat-mRam13を固定したカラムも調製した。Jurkat細胞可溶化抽出物をカラムに通し、結合した分子をSDS-PAGEにより分離・解析した。Tat-Ram13とTat-mRam13のペプチドで差のある分子に注目して調べた結果、濃淡の差があるタンパク質バンドが複数確認された。この中に、目的とする結合分子が含まれていると考えられる。今後、これらのタンパク質を抽出、酵素消化を行い、マススペクトロメトリー解析を行い、結合タンパク質候補を同定する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ネクローシス誘導ペプチドが結合する分子の同定が完了していない。白血病細胞株を用いて光感受性プローブによる検出がラベル効率が悪いことが原因と思われるが特異的に結合していると思われる分子の検出がうまくいっていない。ペプチドアフィニティカラムのアプローチは順調に進んでいる。結合分子候補の同定まであと一歩のところである。
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Strategy for Future Research Activity |
光アフィニティラベル法での結合分子同定は、現状ではラベル化条件の検討に時間がかかると思われる。ペプチドアフィニティカラムを用いた実験では、結合した分子の解析をSDS-PAGEで分離して行っている。しかし、コントロールペプチドとの差し引きで解析するにはSDS-PAGEに分離だけでは不十分である。海外協力者より、等電点電気泳動を組み合わせた二次元電気泳動で分離することでペプチドに特異的に結合した分子が検出しやすくなるとの助言を得た。よって、二次元電気泳動による分離を取り入れて、ペプチド結合分子の同定を急ぐ。
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Causes of Carryover |
平成29年度にネクローシス誘導ペプチドの同定が完了することを前提で予算計上したが、計画段階まで進まなかった。平成30年度に結合分子の同定を進める予定であり、その実験に使用する。国際学会で成果発表する予定をしていたが、都合が合わず出席できなかった。平成30年度に開催される学会に使用する。
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