2020 Fiscal Year Annual Research Report
The role of nuclear receptor CAR in the pathogenesis of intrahepatic cholangiocellular carcinoma
Project/Area Number |
17K08387
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
柿崎 暁 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (80344935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 勇一 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (00582404)
堀口 昇男 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10550022)
井上 裕介 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (90304302)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 核内受容体 / CAR / 胆管癌 / 化学発癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、核内レセプターCAR(constitutive androstane receptor)の肝内胆管癌の発癌における意義を明らかにすることを目的とした。CARのノックアウトマウスでは、肝細胞癌(肝細胞由来)の化学発癌が有意に抑制されることが報告されている。そのため、胆管細胞由来の肝内胆管癌において同様の事象が起こらないかどうかCARと肝内胆管癌との関連を検討した。 最終年度は、CARのノックアウトマウスと野生型マウスを用いて実験的胆管癌モデルでの化学発癌を比較した。マウス胆管癌モデルとしてThioacetamide(TAA) を経口投与した。CARのノックアウトマウスは、野生型マウスと比較して、TAAに対する薬剤感受性が強く、肝障害が強い傾向にあった。CARのノックアウトマウスと野生型マウスに、それぞれ、12週間、24週間TAAを投与し解剖した。12週間投与では、両マウスとも胆管癌の発生は認められなかったが、24週間投与により発癌を認めた。しかし、発癌頻度は、ノックアウトマウスと野生型マウスで有意な差は得られなかった。前年度までの準備実験では、CARが発癌に抑制的に働く傾向が示唆されていたが、最終年度の確認実験では有意差を得られなかった。つまり、肝細胞癌モデルと異なり、今回用いたTAAによる胆管癌モデルでは、CARが胆管癌の発癌に抑制的に働くことは確認できなかった。 得られた胆管癌組織を用いて、CARの発現、薬物トランスポーターの発現、薬物代謝酵素の発現を、mRNA、蛋白レベル、病理組織学的に比較検討する予定であったが、ノックアウトマウスと野生型マウスで発癌の頻度に差がなかったため保留とした。
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