2018 Fiscal Year Research-status Report
喘息発症・増悪化に関わる室内環境真菌糖脂質の同定およびメカニズム解明
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17K08395
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Research Institution | Yokohama College of Pharmacy |
Principal Investigator |
大河原 晋 横浜薬科大学, 薬学部, 准教授 (20409387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 功 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (20389589)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 糖脂質 / Aspergillus fumigatus / 炎症性サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、未分化THP-1細胞において、Aspergillus fumigatusの主表層糖脂質である9-Me d18:24 E,8E-C18h:0が、IL-1、IL-6、IL-8、TNF-α、IL-12B mRNAの発現量を、9-Me d18:24 E,8E-C16h:0は、IL-6、IL-8、TNF-αmRNAの発現量をアカパンカビ由来の糖脂質Neurosporaside(Glcα1-2Galβ1-6Galβ1-6Galβ1-Cer)が、IL-6を有意に増加させることを明らかにした。今年度は、マクロファージ様THP-1細胞における、炎症性サイトカイン(IL-1β、IL-6、IL-8、IL-12p70、TNF-α)mRNA発現について評価するとともに、付加的な実験として、未分化THP-1細胞におけるNeurosporasideの構造異性体2種(Manα1-3Galβ1-6Galβ1-6Galβ1-Cer, Manα1-3Galβ1-6(Glcα1-4)Galβ1-6Galβ1-Cer)のサイトカインmRNA発現について実験をおこなった。マクロファージ様THP-1細胞において9-Me d18:24 E,8E-C18h:0は、IL-8、TNF-αmRNAの発現量を、9-Me d18:24 E,8E-C16h:0は、IL-1β、IL-6、IL-8、TNF-αmRNAの発現量を有意に増加させた。この結果から2種類のAspergillus fumigatus糖脂質は、構造の違いだけでなく、THP-1の細胞形態間の違いにおいても異なる応答性を示すことが明らかとなった。さらに、未分化THP-1細胞において、Manα1-3Galβ1-6Galβ1-6Galβ1-Cerは、TNF-αmRNAの発現量および抗原量を有意に増加させ、ERK1/2、p38およびJNK2のリン酸化を有意に亢進させることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Aspergillus fumigatus由来表層糖脂質が、マクロファージ様THP-1細胞においてもサイトカイン産生を有意に増加させることを明らかにした。また、未分化THP-1細胞において、Neurosporasideの構造異性体、Manα1-3Galβ1-6Galβ1-6Galβ1-Cerが、TNF-αmRNAの発現量および抗原量を有意に増加させ、さらにERK1/2、p38およびJNK2のリン酸化を有意に亢進させることを見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
Aspergillus fumigatusおよびアカパンカビ由来糖脂質およびこの構造異性体のTHP-1に対する作用機序を明らかにするとともに、末梢血単核細胞を用い、これら糖脂質によるNKT細胞の活性化について評価していく。その後はこれまでの研究計画に従って検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた末梢血単核細胞を用いたNKT細胞の活性化評価をとりやめたため、2018年度の研究費に未使用額が生じたが、、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
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Research Products
(2 results)