2019 Fiscal Year Annual Research Report
Association of bioaerosol in outdoor air with asthma exacerbation
Project/Area Number |
17K08396
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
渡辺 徹志 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (90182930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷井 友尋 大阪薬科大学, 薬学部, 准教授 (10388027) [Withdrawn]
松本 崇宏 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (30780431)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リポポリサッカライド / エンドトキシン / たんぱく質 / 喘息 |
Outline of Annual Research Achievements |
京都市において大気粉塵をハイボリウムエアサンプラーを用いて石英繊維製フィルター上に捕集した。また、大気粉塵についてTween20-注射用水を用いて超音波抽出を行い、得られた抽出液について、リポポリサッカライド(LPS)およびタンパク質を、それぞれLAL試薬を用いたキネティック法およびマイクロBCA法により測定した。さらに、別途、精製水を用いて粉塵抽出液を調製し、水溶性イオンをイオンクロマトグラフ法により測定した。気象データとして気温、相対湿度、風速、気圧の値を気象庁ホームページより得た。 病院の電子カルテデータ情報から、救急外来を受診し、喘息発作と診断された患者について調査し、大気粉塵捕集期間ごと(1週間分ずつ)に分けて小児と成人の患者数を調べた。各患者数と大気粉塵中の各成分の濃度の関連性について、気象条件(気温、相対湿度、風速、気圧)を追加の変数としてポアソン回帰分析を行った。その結果、大気粉塵中のLPS濃度が救急外来を受診した小児の喘息発作患者数と有意な関連性があることが明らかになった。一方、救急外来を受診した成人の喘息発作患者数については、いずれの大気粉塵成分についても有意な関連性がみられなかった。 また、3月から5月と9月から11月の6カ月について、24時間分ずつハイボリウムエアサンプラーを用いて大気粉塵を捕集し、各大気粉塵について上記と同様の方法により抽出液を調製し、LPS、タンパク質、水溶性イオンの分析を行った。その結果、5月と9月にLPS濃度が高い日が多数存在していたことが明らかになった。一方、タンパク質については11月の高濃度の日が多数見られた。5月と9月の高濃度のLPSが観測された日の空気塊の移動経路について後方流跡線解析を行った結果、5月は主に中国大陸から、9月は主に太平洋から空気塊が流入した日が多かったと考えられた。
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Research Products
(3 results)