• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2018 Fiscal Year Research-status Report

肺がん患者の脳転移抑制と副作用軽減によるQOL向上のための戦略的薬物療法の構築

Research Project

Project/Area Number 17K08416
Research InstitutionGifu Pharmaceutical University

Principal Investigator

林 秀樹  岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (00419665)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 杉山 正  岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (30453054)
轟木 堅一郎  静岡県立大学, 薬学部, 教授 (70341451)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords非小細胞肺癌 / 個別化医療 / 遺伝子多型 / 薬物動態
Outline of Annual Research Achievements

上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性の非小細胞性肺癌においてEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)は第一選択薬であり優れた治療効果を示す一
方、重篤な下痢などの副作用発現頻度も高く、患者QOLを低下させ治療中断の原因となる。また、この副作用発現の個人差の原因に関する情報は殆どない。本研究では、EGFR-TKIの体内動態および関連遺伝子多型と副作用との関連を明らかにし、さらに脳転移発症のリスク因子を明らかにすることを目的としている。現在までに、第2世代EGFR-TKIであるアファチニブが投与された33症例を対象として中間解析を行った。血漿中濃度は定常状態に到達する内服9日目(投与初期)および投与量が1カ月以上安定している時期(維持期)のトラフ血漿中濃度を測定した。アファチニブの体内動態関連遺伝子としてABCB1、ABCG2、FMO3におけるSNPsを解析した。
下痢およびざ瘡様皮疹の発現率はともに80%以上であった。投与初期の血漿中濃度と下痢重症度との間に相関が認められた。また、薬物動態関連の遺伝子多型が下痢重症化に影響する可能性が示され、特に、ABCG2 C421AのAアレル保持者ではアファチニブ血漿中濃度が高く、下痢が重症化することが示唆された。維持期での下痢や投与初期と維持期でのざ瘡様皮疹の発症と遺伝子多型との関連は認められなかった。
アファチニブ投与初期に出現する下痢の重症化は血漿中濃度の影響を受け、その血漿中濃度は、薬物動態関連の遺伝子多型の影響を受けていることから、アファチニブ投与前に遺伝子多型を評価し患者毎に投与量を調節することで、副作用を回避してQOLの維持・改善と、さらなる治療成績の向上が期待できると考えられる。現在、さらに症例を積み重ね、また、他のEGFR-TKIについても調査を行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在まで概ね順調に患者登録が進んでいる。また脳脊髄液中のEGFR-TKIの測定法の構築もほぼ完了している。EGFR-TKIのうち第2世代のアファチニブに関しては、中間解析の結果、すでに投与初期の血漿中濃度に対する薬物トランスポーター遺伝子の多型の影響も明らかしており、血漿中濃度と副作用との相関も明らかとなった。現在、生存率や無増悪生存期間との関係も解析しており、副作用のみならず薬効との関連も明らかになることが予想される。
また、現在、中枢移行に関する検討の準備も進んでおり、EGFR-TKIの脳内動態の解析も順調に結果が得られると予測される。

Strategy for Future Research Activity

前年度に引続き同様な研究体制で、非小細胞肺癌患者について文書によるICを取得後、遺伝子多型解析を行い、血中薬物濃度を測定し、治療経過を調査する。
これらの解析、調査が終了次第、遺伝子多型情報および血中薬物濃度と治療経過について多変量解析を行い総合的に評価する。また、EGFR-TKIsの中枢移行性の解析についての検討を引き続き実施する。
患者の遺伝子多型および薬物投与量と血中薬物濃度等について、それぞれ単変量解析ならびに多変量解析を行い、これらの因子によるEGFR-TKIsの投与量や臨床経過への寄与率、脳転移のリスク因子を検討する。また、これらの遺伝子多型解析と血中薬物濃度測定および臨床経過により得られるEGFR-TKIs毎の投与法を検討する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Effect of Afatinib plasma levels and pharmacokinetics-related genetic polymorphisms on the degree of side effects in2018

    • Author(s)
      Yoshihisa Fukuda, Hideki Hayashi, Hirotoshi Iihara, Naoki Mizusaki, Chiemi Hirose, Komei Yanase, Yasushi Ohno, Yoshinori
    • Organizer
      18th World Congress of Basic and Clinical Pharmacology
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2019-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi