2018 Fiscal Year Research-status Report
Research to investigate the mechanism of urinary excretion of illegal drugs including synthetic cannabinoids and their metabolites
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17K08417
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
北市 清幸 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (40301220)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 合成カンナビノイド / 危険ドラッグ / 薬物動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
新規な合成CBを用いた本格的な薬物動態実験を開始した。また、昨年に引き続き、新規に実験に使用した合成CBは肝ミクロソームを用いた代謝実験を行い、合成CB体内挙動の参考としている。その内のATHPINACAとその位置異性体の代謝挙動は特徴的であり、成果発表として、2018年7月に開催された第64回日本薬学会東海支部総会・大会で学生優秀発表賞を、2019年2月に開催された1st AsCNP for ASEAN International Congress of Neuropsychopharmacology 2019で優秀発表賞を受賞している。なお、新規な合成CBを動物に投与し、血液サンプルや尿サンプルを採取した結果についてはまだ学会発表には至っていないが、驚くべきことに合成CBの代謝物は肝ミクロソームで見られた多様な代謝物は血中ではほとんど検出されず、主要代謝物でのかなり微量であり、尿中ではほとんど検出されないことが明らかとなった。この検出できないということが想定より時間を要する要因となった。さらに検討を進めた結果、対照的に胆汁中に多量の合成CB主代謝物が排泄されていることが明らかとなった。この結果は、合成CBが代謝された後、ただちに胆汁排泄に関わるトランスポーターによって排泄されていることを示唆しており、現在そのメカニズム解析を急いでいる。一方でこの合成CB代謝物の胆汁排泄は糞便中の合成CB代謝物測定が合成CBの摂取証明になりうることを示唆しており、糞便中の代謝物測定についても解析を始めたところである。さらに、当初の予定っ通り、完全なトランスポーターの特定のために、培養細胞に候補トランスポーターを導入した細胞を作成し、in vitroにおける合成CB代謝物の細胞への取り込みまたは排泄挙動を確認することも計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の動物実験は想定された代謝物が尿で検出されず、テクニカルトラブルの可能性を排除するための実験に時間を要してしまった。しかし、最終的には胆汁排泄という新たなメカニズムを特定したため、若干の時間の遅れは意義あるものであったと確信している。
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Strategy for Future Research Activity |
前記のように若干の遅れはあったが、実験は想定通りに進んでいる。
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Research Products
(10 results)