2018 Fiscal Year Research-status Report
核内受容体PXRによる肝細胞増殖制御：機序及びヒト影響の解明
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17K08418
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| Research Institution | University of Shizuoka |
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Principal Investigator |
吉成 浩一 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (60343399)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 崇光 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (20382674)
保坂 卓臣 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (30611579)
志津 怜太 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (50803912)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 肝毒性 / 細胞増殖 / 核内受容体 / 化学物質 / 肝 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
成型した100 ppm PCN含有CE-2固形飼料を雄性C3H/HeNマウスにフェノバルビタール（PB、500 ppm、給水投与）と併用で７日間投与した。定量的逆転写PCR法による細胞周期関連遺伝子のmRNAレベル解析、ならびに細胞増殖マーカーであるKi-67の肝の免疫組織染色の結果、PB投与による肝細胞増殖が認められ、その増殖はPCNの併用投与によって増強されることが確認された。さらに、肝核抽出液を用いたウェスタンブロットにおいてPBおよびPCN投与により核内YAPレベルの増加が認められ、両者の併用は、YAPレベルのさらなる増加を誘導した。以上の結果より、C3H/HeNマウスにおいてPCNの併用投与がPB依存的な肝細胞増殖を増強することが示された。そこで４週齢の雄性C3H/HeNマウス（80匹）に肝がんイニシエーターであるジエチルニトロソアミン（90 mg/kg）を腹腔内投与し、その２週間後からPBおよびPCNの単独あるいは併用投与による発がん性試験を開始した。2019年度に前癌病変および腫瘍の発生を解析予定である。
近年PXR機能が炎症時に変化するという報告があることから、発がん過程の肝細胞機能変化がPXR機能に及ぼす影響を明らかにする一環として研究を進め、レポーターアッセイ等により、炎症関連転写因子であるNF-kappaB及びAP-1は、転写共役因子PGC-1alphaをPXRと競合することで、PXR依存的な転写を抑制することを明らかにした。これらの成果は2018年度にDrig Metabolism and Pharmacokinetics誌に投稿し、2019年4月に採択された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予想通りPCNの併用投与がCAR依存的肝細胞増殖を増強したため、雄性C3H/HeNマウスを用いて発がん性試験を開始した。発がん性試験は現在20週の投与が終了し、各群5匹のマウスの肝について発がん前駆マーカーの解析を行っており、計画通り進行していると思われる。また、ヒトPXR発現アデノウイルスの作製が完了したため、AML12細胞を用いた肝細胞増殖の評価系を用いて、種差の解析を進める予定である。以上の通り、研究はほぼ計画通り進行している。
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| Strategy for Future Research Activity |
発がん性試験において、投与後20週マウスの肝について肝細胞増殖や前癌病変の発現を、発がん前駆マーカーであるサイトケラチン8/18免疫組織染色、細胞周期関連遺伝子mRNAレベルの測定等により解析する。また、YAP活性化の変動についても標的遺伝子の発現変動や核内YAPレベル等により解析する。投与30週より、週1回、３DマイクロX線CT装置および造影剤を用いて肝がん病巣のサイズ、個数等を継時的に測定する。40週後にマウスを屠殺して肝を採取し、免疫組織染色、定量的逆転写PCRにより肝がんマーカーによる肝がんの発生頻度を解析する。
マウスPXRとヒトPXRの肝細胞増殖における機能的な種差を明らかにするために、当研究室で構築したAML12細胞を用いた肝細胞増殖の評価系を利用し、増殖細胞数の測定（WST-8アッセイ）や肝細胞増殖関連遺伝子mRNA発現レベルの解析（定量的逆転写PCR）により、ヒトPXRが肝細胞増殖へ及ぼす影響を解析する。
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| Causes of Carryover |
2018年度から2019年度にかけて長期間の発がん実験を実施しており、繰越分は2019年度に実施するそれらの解析に使用する。
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